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世界の聖典・経典』

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No.1561

 拙著『知れば知るほど面白い 世界の聖典・経典』(光文社知恵の森文庫)の見本が出ました。この6月は「一条本」の新刊が3冊刊行されるのですが、その第一弾となります。「出版界の木下藤吉郎」こと堀川尚樹さんが代表を務める造事務所が編集してくれました。真面目な内容ながら、刺激的でスタイリッシュな一冊に仕上がりました。
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   本書の帯


 カバーには世界中の聖典や経典がすべて集められた書庫のイラストが描かれ、帯には「聖書・コーラン・般若心経・ヴェーダ・論語」「ざっくり言えば、こんなことが書かれていた!」、さらに以下のように書かれています。

★クリスマスはイエスの誕生日ではない
★極楽浄土には阿弥陀如来がいる
★ヒンドゥー教の男女の産み分け法

 本書の「目次」は、以下のようになっています。


〈はじめに〉真の国際人になるためのガイドブッグ
「誤解されている聖典・経典の教え」
【PART1】ユダヤ教
そもそもユダヤ教って?
ユダヤ教の聖典って?
ユダヤ人はとにかくイスラエルの地にこだわる
ひれとうろこのないタコ、イカ、貝は食べられない
乳製品と肉を一緒に食べてはならない
金融業で利子を取って良い相手は異教徒だけ
ハゲをバカにした子どもは呪いを受けて熊に襲われる
法廷では多数決が正しいとは限らない
生まれたときの身分が第一優先! ただし例外も
古代の賢者は女性の経血について大真面目に議論した
[聖典・経典に登場する]「ユダヤ人」の定義
【PART2】キリスト教
そもそもキリスト教って?
キリスト教の聖典って?
ジャガイモは神の言葉に反する作物
神は自分の形にそって人類を創造した
息子に裸を見られて呪いをかけた予言者ノア
生まれる前から「見た目がぱっとしない」と予言されていたイエス
教会は同性愛や不倫を禁じた
クリスマスはイエスの誕生日ではなかった!?
空腹のイエス、悪魔の誘惑をはね返す
実がないいちじくの木を枯れさせたイエス
イエス、神殿の露天商を蹴散らす
一番弟子のペトロ、イエスをあっさり見捨てる
死後に復活したことで神の子として認められたイエス
神と悪魔の戦いの末に世界はリセットされる!?
[聖典・経典に登場する]使徒たちの後継者の役職名
【PART3】イスラム教
そもそもイスラム教って?
イスラム教の聖典って?
ラマダーンの断食は神からすれば簡単なこと
利息を取ると業火に焼かれ、寄付をすると神が利息をくれる
豚だけでなく自然死した動物も食べてはいけない
奥さんは4人までOK。ただし公平に扱うこと
イエスは「神の子」ではない
礼拝は本来、1日50回だった
メッカへの巡礼は義務
ブラック企業の経営者はアッラーの敵である
聖戦であっても女・子どもの虐殺は許されない
神の像を勝手に作るのは最大の罪である
[聖典・経典に登場する]アラビア語とほかの言語
【PART4】仏教
そもそも仏教って?
仏教の聖典って?
身体を痛めつける苦行は必要ない
すべての生命はひとしく慈しむべし
死後の世界について考えるのは意味がない?
仏の姿は、視覚や聴覚では認識できない
この世にあるすべてのものは永遠に存在する
どんな人々も仏になり得る
ブッダは人類の誕生よりもはるか前から生きてきた
大罪人であっても仏の名を唱えれば救われる
黄金の大地に花の雨が降る極楽浄土
[聖典・経典に登場する]死後と先祖の供養
【PART5】ヒンドゥー教
そもそもヒンドゥー教って?
ヒンドゥー教の聖典って?
深酔いするほど神に近づける?
天地創造で最初にできたのは「水」だった
夫の不倫相手に勝つための呪文
聞くだけで効果できめんな叙事詩
ほかの神をだまして不老不死の秘薬を奪った最高神
カースト制度は創造神によって定められた
男女を産み分ける方法
牛を殺した罪は牛と同じ生活をして償うべし
庶民は米、麦、豆に生まれ変わる
女性はひとりで家事をしてはいけない
[聖典・経典に登場する]「牛肉」の取り扱い
【PART6】儒教・道教
そもそも儒教・道教って?
儒教・道教の聖典って?
儀式や礼儀作法は不器用でもかまわない
君子はなれ合わない
主君に殉じるより敵将に仕えるべき!?
お天道様はきっと見てくれている
孔子は進んでクーデターに参加した革命家
親が亡くなれば3年は喪に服すべし
天の導きによって革命が起こる
天下泰平の基本は家庭内の秩序から
理想の統治は「人民に欲を起こさせないこと」
商業や工業が一切なくなれば盗人もいなくなる
人を使う人ほど、へりくだるべし
貧乏な小国であり続ければ戦争にはならない
[聖典・経典に登場する]夫婦別姓の伝統
【PART7】そのほかの宗教
死者の書
ゾロアスター教
マニ教
ジャイナ教
シーク教
神道
「引用文献・参考文献」
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   誤解されている聖典・経典の教え


 本書は、読者のみなさんにとっての「真の国際人になるためのガイドブック」を目指して書きました。21世紀は、9・11米国同時多発テロから幕を開いたように思います。この世紀が宗教、特にイスラム教の存在を抜きには語れないことを誰もが思い知りました。世界における総信者数で1位、2位のキリスト教とイスラム教は、ともにユダヤ教から分かれた宗教です。つまり、この3つの宗教の源は1つ。ヤーヴェとかアッラーとか呼び名は違っても、3つとも人格を持つ唯一神を崇拝する「一神教」であり、啓典を持つ「啓典宗教」です。啓典とは、絶対なる教えが書かれた最高教典のことです。おおざっぱに言えば、ユダヤ教は『旧約聖書』、キリスト教は『新約聖書』、イスラム教は『コーラン』を教典とします。『旧約聖書』は三つの宗教に共通した教典です。
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   イスラム教について


 キリスト教、イスラム教と並んで三大「世界宗教」とされる仏教は啓典宗教ではありません。仏教の中には経典はたくさんあっても啓典はないのです。経典の中の経典とされる『般若心経』でさえ啓典ではありません。「汗牛充棟」なる言葉があるほど、仏教の経典は膨大である。「如是我聞」すなわち、「このように私は釈尊から聞いたのだが」と最初に書けば何でも経典になります。『法華経』でさえ釈迦入滅後1000年以上も後に作られたといいますが、その後も多くの教典が続々と作られました。
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   ヒンドゥー教について


 仏教だけでなく、ヒンドウー教にも、儒教、道教にも、日本の神道にも啓典はありません。ない。啓典宗教は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三姉妹宗教だけなのですが、ヒンドゥー教には『ヴェーダ』が、儒教には『論語』をはじめとする四書五経が、道教には『老子』や『荘子』が、神道には『古事記』や『日本書紀』があります。それらの書物を、「聖典」のジャンルに入れても間違いではないでしょう。
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   『死者の書』や『アヴェスター』も紹介


 実際、大正時代に出版された『世界聖典全集』という世界中の宗教や哲学における聖典を網羅した稀有壮大な叢書には、『聖書』や『コーラン』、『般若心経』などの各種仏典はもちろん、『論語』などの四書五経、『老子』、『ウパニシャッド』、ゾロアスター教の『アヴェスタ』、エジプトの『死者の書』、そして『日本書紀』までが収められていました。
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   これが『世界聖典全集』全30巻だ!


わたしのブログ記事「『世界聖典全集』を全巻購入しました」に書いたように、この『世界聖典全集』をわたしは全巻購入し、通読しました。それまでも各宗教の聖典や『論語』などは何度も読み返していましたが、大正時代に出版された革張りのハードカバーで聖なる言葉を読むのは格別でした。
 聖典や経典の魅力に取りつかれたわたしは、『慈経 自由訳』(三五館)、『般若心経 自由訳』(現代書林)、『世界一わかりやすい「論語」の授業』(PHP文庫)、『はじめての「論語」』(三冬社)などを書きました。

 宗教を知らずして、「世界は1つである」とか「人間はみな同じである」などと能天気に叫んでも、国際社会においては戯言にすぎません。たしかに、肌の色や民族や言語が違っても、人間は人間です。でも、人類という生物種としての肉体、つまりハードは同じでも、ソフトとしての精神が違っていれば、果たして同じ人間であると言い切れるでしょうか。大事なのはソフトとしての精神ではないでしょうか。その精神に最も影響を与えるものこそ宗教であり、その内容を知るには聖典や経典を読むのが一番です。
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   世界中の人の「こころ」を知るために


 本書には、それぞれの聖典・経典の興味深いエピソードも多く集めました。2020年に開催される東京オリンピックもいよいよ近づいてきましたが、この本を読まれたみなさんが世界中の人の「こころ」を知り、真の国際人になられることを願っています。なお、本書の内容をさらに拡大・深化させて、いずれは『儀式論』(弘文堂)の姉妹本となる大著『聖典論』を書きたいです。

 『知れば知るほど面白い 世界の聖典・経典』は6月12日発売です。ぜひ、お求めいただき、ご一読下さいますよう、お願いいたします。