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儀式論』

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No.1341



 『儀式論』(弘文堂)の見本が届きました。
 合計600ページ、総クロス貼り、箔押し、ケース入りです。
 なんとも感無量です。わが代表作となる予感がします。
 『唯葬論』(三五館)がこれまでの集大成的作品であるなら、この『儀式論』は新しい出発の書かもしれません。そして、わが「世直し」の書です。

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   『儀式論』(弘文堂)


 ケースにも、クロス貼りの本体にも、日輪と月輪のシンボル・マークが箔押しされています。これは、大正時代の伝説的出版物である『世界聖典全集』のデザインを参考にしました。おかげで、なんともいえぬ威厳ある装丁となりました。ケースの帯には「人間が人間であるために儀式はある!」と大書され、続けて「儀式とは何か? 有史以来の大いなる謎に挑む、知の大冒険! 儀式が人類存続のための文化装置であることを解明し、儀式軽視の風潮に警鐘を鳴らす、渾身の書き下ろし!」と書かれています。

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   本書の帯


 アマゾン「内容紹介」には、「『儀式とはなにか』を突き詰めた渾身の大著! 人間が人間であるために儀式はある!」として、こう書かれています。

 「結婚式、葬儀といった人生の二大儀礼から、成人式、入学式、卒業式、入社式といった通過儀礼、さらには神話や祭り、オリンピックの開閉会式から相撲まで、あらゆる儀式・儀礼についての文献を渉猟した著者が、「儀式とはなにか」をテーマ別に論究。『人類は生存し続けるために儀式を必要とした』という壮大なスケールの仮説の下、知的でスリリングな儀式有用論が展開します。古今の名著を堪能しながら儀式の本質に迫ると同時に、現代日本を蔽う『儀式不要』の風潮が文化的危機であることを論証する大部の書き下ろしです」

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   本書の帯の裏


 本書の「目次」は、以下のようになっています。

はじめに「なぜ儀式が必要なのか」
第1章 儀礼と儀式
儀礼と儀式の違い
儀礼とは何か
通過儀礼
儀礼の過程
言語としての儀礼
イニシエーション
儀礼文化とは何か
第2章 神話と儀式
謎への対応と生命のエコロジー
神話と祭儀
神話と儀礼
神話と古代宗教
人類学と神話
神話と夢想と秘儀
イニシエーションの元型
第3章 祭祀と儀式
「まつり」とは何か
日本の祭り
祭りの発生
祭りの構造と儀礼
祭りと儀礼の宗教学
バタイユとカイヨワ
第4章 呪術と儀式
タイラーの『原始文化』
フレイザーの『金枝篇』
レヴィ=ブリュルとマリノフスキー
呪術と宗教の違い
トーテムとタブー
アニミズムとは何か
第5章 宗教と儀式
宗教の起源
儀礼的生活
一神教の「神」をめぐって
聖なるもの
ユング心理学と宗教
古代の密儀
宗教の根本としての儀礼
第6章 芸術と儀式
芸術の起源
古代中国における音楽
古代芸術と祭式
演劇と儀式
茶道と中国文化
第7章 芸能と儀式
芸能の発生
「うた」という儀礼文化
能と仮面劇
人を不死にする芸能
神事としての相撲
相撲の宇宙論
第8章 時間と儀式
月と永遠
人間と時間
時間のリセットとしての儀礼
日本人における時間感覚
日本における時間と儀式の関係性
儀式とライフスタイル
第9章 空間と儀式
空間の本質
聖なる空間
祭祀空間・儀礼空間
仁徳天皇陵と古墳のまつり
古代の祭祀空間
祭祀空間の構造
沖縄文化論と聖地感覚
洞窟および洞窟的空間
社殿と儀式空間
第10章 日本と儀式
宗教と日本人
神道と儒教
仏教と儒教
日本人と結婚式
日本人と葬儀
冠婚葬祭互助会の誕生と発展
第11章 世界と儀式
儀式としてのオリンピック
儀式・政治・権力
革命祭典から記念式典へ
キリスト教のプレゼンテーション
ナチスに見る儀式力
ディズニーランドと月の宮殿
世界の宗教と月信仰
第12章 社会と儀式
心の社会
古代都市の儀式
儀式こそ宗教である
儀式の社会的機能
儀式の重要性
宇宙の秩序としての「礼」
会社と儀式
第13章 家族と儀式
「家」という宗教集団
古代の家族宗教
古代ギリシャと日本の婚礼
『礼記』の家族論
孟子が説いた「人の道」
へーゲルが説いた「埋葬の倫理」
年中行事と冠婚葬祭
家族葬について考える
小津映画と冠婚葬祭
第14章 人間と儀式
儀式的動物あるいはホモ・フューネラル
シンボリック・システム
儀式の心理的機能
魂のコントロール術
感情の共同体
「聖なるもの」とのアクセス
孔子とブッダのコラボとしての「慈礼」
おわりに「儀式文化の継承と創新のために」
「儀式讚」
「参考文献一覧」

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   『儀式論』(弘文堂)のチラシ


本書では、まず、儀式の存在意義について考えました。儀式と聞いて多くの人は、結婚式と葬儀という人生の二大儀礼を思い浮かべるのではないでしょうか。結婚式ならびに葬儀の形式は、国によって、また民族によって著しい差異があります。これは世界各国のセレモニーには、その国で長年培われた宗教的伝統や民族的慣習などが反映しているからです。儀式の根底には「民族的よりどころ」があるのです。

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   函入りです!


 日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲といった、さまざまな伝統文化があります。そして、それらの根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在します。すなわち、儀式なくして文化はありえないのです。儀式とは「文化の核」と言えるでしょう。そもそも、哲学者のウィトゲンシュタインが述べたように人間とは「儀式的動物」なのです。
 儀式は、地域や民族や国家や宗教を超えて、あらゆる人類が、あらゆる時代において行ってきた文化です。

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   函と本体


 しかし、いま、日本では冠婚葬祭を中心に儀式が軽んじられています。 そして、日本という国がドロドロに溶けだしている感があります。 日本人の儀式軽視は加速する一方です。「儀式ほど大切なものはない」と確信しているわたしも、この現状を憂うあまりに、「自分の考えがおかしいのか」と悩むこともありました。そして、あえて儀式必要論という立場ではなく、「儀式など本当はなくてもいいのではないか」という疑問を抱きながら、儀式について考えていこうと思い至ったのです。

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   本体の表紙(総クロス貼り)


 そのために、儀式に関連した諸学、社会学、宗教学、民俗学、文化人類学、心理学などの文献を渉猟して書いたのが本書『儀式論』です。
 大上段に「儀式とは何ぞや」と構えるよりも、さまざまな角度から「儀式」という謎の物体に複数の光線を浴びせ、その実体を立体的に浮かび上がらせるように努めました。その結果、全部で14の章立てとなりました。

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   表紙の表には日輪の金箔が・・・・・・


 第1章「儀礼と儀式」では、よく似た言葉である儀礼と儀式の違いについて考察し、民俗学者や文化人類学者を中心とする先人たちの儀礼研究の歩みを追いました。第2章「神話と儀式」では、人類は神話と儀式を必要とし、両者は古代の祭儀において一致したことを明らかにしました。第3章「祭祀と儀式」では、日本語の「まつり」の意味について確認し、祭祀は儀式によって神と人、人と人とのつながりを強化することを示しました。第4章「呪術と儀式」では、儀式について考える上で呪術の問題を避けることはできず、呪術を支配している原理は「観念の万能」であることを明らかにしました。

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   表紙の裏には月輪の銀箔が・・・・・・


 第5章「宗教と儀式」では、宗教とは「聖なるもの」との交流であり、「聖なるもの」と会話をする言語が儀式であると述べました。第6章「芸術と儀式」では、芸術は古代の祭式という儀式から生まれ、音楽や演劇や茶道の本質について述べました。第7章「芸能と儀式」では、芸能は儀式によって成り立っており、歌謡や歌舞伎や能や相撲の本質について述べました。第8章「時間と儀式」では、儀式とは世界における時間の初期設定であり、時間を区切ることです。それは時間を肯定することであり、ひいては人生を肯定することなのです。さまざまな儀式がなければ、人間は時間も人生も認識することはできないであろうと述べました。第9章「空間と儀式」では、祭祀空間や儀礼空間や聖地について考察し、洞窟から儀式が生まれたと論じました。

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   金は太陽、銀は月


 第10章「日本と儀式」では、日本の宗教の本質が神道、仏教、儒教からなるハイブリッド宗教であることを述べ、結婚式や葬儀の歴史をたどりました。第11章「世界と儀式」では、オリンピックやキリスト教、ナチス、ディズニーランドといった地球規模の文化と、その伝播に深い影響を与えた儀式との関連を追いました。第12章「社会と儀式」では、儀式には人々の精神的つながりを強め、秩序を維持する社会的機能があると論じました。第13章「家族と儀式」では、家族とは本来が迷惑をかけ合う関係であり、儀式を行うことは面倒なゆえに意味があると論じました。第14章「人間と儀式」では、儀式の心理的機能を考察し、儀式的動物としての人間の本質について論じました。

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   函の天にも『儀式論


  わたしは、日本人のみならず、人類の未来のために本書を書きました。 人類のさまざまな謎は、儀式という営みの中にすべて隠されています。 本書を読んで、儀式という営みが個人にとって、日本人にとって、人類にとって、必要であるか、それとも不要であるか。その結論は、読者の判断に委ねたいと思います。14章にわたり、さまざまな角度から儀式について見ましたが、やはり人類にとって儀式は必要不可欠であると思わざるをえません。わたしたちは、いつから人間になったのか。そして、いつまで人間でいられるのか。その答えは、すべて儀式という営みの中にあるのです。

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   函の底にも『儀式論


 わたしは、冠婚葬祭互助会を経営し、全国団体の会長も務めています。 いま、日本人に広く儀式を提供する冠婚葬祭互助会の社会的役割と使命が問われています。たしかに、互助会というビジネスモデルが大きな過渡期にさしかかっていることは事実でしょう。その上で、わたしは、互助会の役割とは「良い人間関係づくりのお手伝いをすること」、そして使命とは「冠婚葬祭サービスの提供によって、たくさんの見えない縁を可視化すること」に尽きると考えます。そして、「縁って有難いなあ。家族って良いなあ」と思っていただくには、わたしたちのような冠婚葬祭業者が参列者に心からの感動を与えられる素晴らしい結婚式や葬儀を提供していくことが最も重要です。

 互助会が儀式をしっかりと提供し、さらには「隣人祭り」などの新しい社会的価値を創造するイノベーションに取り組めば、無縁社会を克服することもできるはずです。「豊かな人間関係」こそは冠婚葬祭事業のインフラであり、互助会は「有縁社会」を再構築する力を持っているのです。これからの時代、互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると確信します。

 人間は神話と儀式を必要としています。社会と人生が合理性のみになれば、人間の心は悲鳴を上げてしまうでしょう。結婚式も葬儀も、人類の普遍的文化です。子孫の繁栄を予祝する結婚という慶事には結婚式という儀式によって、すべての人間に訪れる死亡という弔事には葬儀という儀式によって、喜怒哀楽の感情を周囲の人々と分かち合います。この習慣は、人種・民族・宗教を超えて、太古から現在に至るまで行われています。この二大セレモニーはさらに、未来においても継承されると予想される「不滅の儀式」であり、人類が存続する限り永遠に行われることでしょう。

 しかし、結婚式ならびに葬儀のスタイルは、国により、あるいは民族や宗教によって、きわめて著しい差異があります。それは世界各国のセレモニーというものが、人々の心の支えともいうべき「民族的よりどころ」となって反映しているからです。結婚式や葬儀をはじめとした人生儀礼を総合的に提供する冠婚葬祭互助会の最大の使命とは何か。それは、日本の儀式文化を継承し、「日本的よりどころ」を守る、すなわち日本人の精神そのものを守ること、さらには日本人を幸福にする儀式を新たに創造することです。

 その意味で、冠婚葬祭互助会の全国団体とは、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲などの日本の伝統文化を継承する諸団体と同じ役割、いや、儀式というさらに「文化の核」ともいえる重要なものを継承するという点において、それ以上の役割を担っていると考えます。これからも、日本人を幸福にするために、わたしは儀式文化の継承と創新に努めていきたいです。

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   巻末の「儀式讃」


 本書の巻末には、わたしの儀式への想いを「儀式讃」としてまとめました。
 これは『古今和歌集』で紀貫之が和歌への想いを綴った「仮名序」をイメージして作成しました。本当は「儀式序」として巻頭に置こうかとも考えましたが、それだと14章にわたる論考の意味がなくなると思い、巻末に「儀式讃」として掲載した次第です。

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   儀式に対する想いをまとめました


 わたしは本書を何かに取り憑かれたように一気に書き上げました。
 わたしの心中には「俺が書かねば誰が書く」という大いなる使命感がありました。不遜を承知で言えば、わたしは、ダーウィンの『種の起源』やマルクスの『資本論』なみの人類社会にとって重要な本を目指して、『儀式論』を書き上げました。ドン・キホーテのような心境で書きました。

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   ものすごい存在感です!(わが書斎の自著コーナー)


 本書は合計600ページ、総クロス貼り、金銀箔押し、ケース入りという豪華版です。人文書の冬の時代に夢でも見ているようです。実際、「いつか、こんな本を出版してみたい」という愛書家、蔵書家、読書家としてのわたしの夢は本書の上梓によってすべて叶えられました。


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   シン・ゴジラ級のインパクト!

 
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   人類が存続していくために・・・・・・


 まさに、シン・ゴジラ級のインパクト・・・・・・シン・ゴジラが人類を滅亡させる存在ならば、『儀式論』は人類を救う書であると信じています。出版していただいた弘文堂の鯉渕友南社長、つねに適切なアドバイスと慈愛にあふれる励ましを与え続けて下さった編集の外山千尋氏に心より感謝いたします。本書は、11月8日に全国発売されます。全国の冠婚葬祭関係者、宗教関係者のみなさまをはじめ、1人でも多くの方に読んでいただきたいです。