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永遠の知的生活』

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 No.1016

 

 わたしが 監訳した新刊『超訳 空海の言葉』の見本に続き、新刊の見本が届きました。渡部昇一先生との対談本である『永遠の知的生活』(実業之日本社)です。当初アマゾンには「10月末刊行」という告知がアップされていましたが、何度かの刊行時期の延期を経て、ようやく無事に完成しました。感無量です!

 

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   『永遠の知的生活』(実業之日本社)


 

 本書には「余生を豊かに生きるヒント」というサブタイトルがつけられ、帯には渡部先生の書斎でのツーショット写真とともに「人は死ぬまで学び続ける。それが最高の幸せ」と書かれています。


 この読書館でも紹介した『知的生活の方法』が大ベストセラーになってから38年、稀代の碩学・渡部昇一先生とわたしが「知・老い・死」を語り合う対談集です。 孔子、ソクラテス、パスカル、ゲーテ、エマソン、ヒルティ、石田梅岩、 佐藤一斎、新渡戸稲造、渋沢栄一・・・・・・人類遺産ともいえる先人の叡智に触れる喜び、 読書の効用を説き、老いてもなお、学ぶことの価値を語り合います。巻末には2人による「永遠の知的生活のためのアドバイス」も収録されています。

 

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   帯の裏では「目次」を紹介


 

 本書の「目次」は、以下のような構成になっています。


「はじめに」(一条真也)
■第1章 書斎のある生活―「読書」との出会い
■第2章 記憶と忘却のはざまで―記憶こそ人生
■第3章 豊かな老後の実現―老いて学ぶ
■第4章 知的生活の死生観―人は必ず死ぬ・・・
■第5章 日本人を語る―心学とカミ文明圏
■終 章 ―永遠の知的生活
「おわりに」(渡部昇一)


 みなさんは、「読書の秋」にたくさん本を読みましたか? 読書は「知的生活」の基本です。そして「知的生活」といえば、渡部昇一先生です。渡部先生は「稀代の碩学」であり「知の巨人」、そして「現代の賢者」として知られます。2014年の七夕、わたしはかねてより心から尊敬している渡部先生のご自宅を訪問し、謦咳に接する機会を得ました。わたしの中学時代の同級生に、東北大学大学院教授の江藤裕之君がいます。彼は上智大学で渡部先生の下で学んだ愛弟子でもあります。その江藤君と東京の最寄駅で待ち合わせし、そこから渡部先生の御自宅へ向かいました。

 

 以前、渡部先生とは一度お会いしたことがあります。わが業界団体の講演にお招きしたのですが、そのとき控室でお話しさせていただきました。渡部先生は、わたしのことをよく憶えておられました。


 わたしは渡部先生の著書はほとんど読んでいるつもりですが、最初に読んだ本は大ベストセラー『知的生活の方法』(講談社現代新書)でした。この本を中学一年のときに読み、非常にショックを受けました。このときから、読書を中心とした知的生活を送ることこそが理想の人生になり、生涯を通じて少しでも多くの本を読み、できればいくつかの著書を上梓したいと強く願いうようになりました。わたしの書斎にある『知的生活の方法』は、もう何十回も読んだためにボロボロになっています。表紙も破れたので、セロテープで補修しています。この本は、わたしのバイブルです。

 

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   渡部先生の書斎を写真入りで紹介


 

 「世界一」とされる渡部先生の書斎に続いて、書庫を拝見しました。まさに、わたしにとっては夢のような時間でした。対談の最初は、わたしにとっての「恩書」である渡部先生の大ベストセラー&ロングセラー『知的生活の方法』の思い出から始まって、先生の世界一の書斎および書庫のお話、それから「四大聖人」「心学」「カミ文明圏」といった日本人の本質に迫るテーマを語り合い、最後は靖国神社を中心とした「鎮魂」「慰霊」の問題について意見交換をさせていただきました。

 

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   わたしの書斎や実家の書庫も紹介されています


 

 いろいろな話をさせていただきましたが、わたしは「心学」について質問させていただきました。神道・仏教・儒教が日本人の「こころ」を支えており、それらが共生した「かたち」が冠婚葬祭ではないかという持論を述べさせていただいたところ、渡部先生は「そうですね、日本は"カミ文明圏"なんですよ」と言われました。「ゴッド」ではなく「カミ」。渡部先生いわく、カミ文明圏の中に神道も仏教も儒教も取り込まれてきたのです」と言われました。


 対談は5時間以上にも及びましたが、最後にわたしは書名にもなっている「永遠の知的生活」について語りました。わたしは「結局、人間は何のために、読書をしたり、知的生活を送ろうとするのだろうか?」と考えることがあります。その問いに対する答えはこうです。わたしは、教養こそは、あの世にも持っていける真の富だと確信しています。

 

 あの丹波哲郎さんは80歳を過ぎてからパソコンを学びはじめました。霊界の事情に精通していた丹波さんは、新しい知識は霊界でも使えると知っていたのです。ドラッカーは96歳を目前にしてこの世を去るまで、『シェークスピア全集』と『ギリシャ悲劇全集』を何度も読み返していたそうです。


 死が近くても、教養を身につけるための勉強が必要なのではないでしょうか。モノをじっくり考えるためには、知識とボキャブラーが求められます。知識や言葉がないと考えは組み立てられません。死んだら、人は精神だけの存在になります。そのとき、生前に学んだ知識が生きてくるのです。そのためにも、人は死ぬまで学び続けなければなりません。わたしがそのような考えを述べたところ、渡部先生は「それは、キリスト教の考え方にも通じますね」と言って下さいました。


 わたしは、読書した本から得た知識や感動は、死後も存続すると本気で思っています。人類の歴史の中で、ゲーテほど多くのことについて語り、またそれが後世に残されている人間はいないとされているそうですが、彼は年をとるとともに「死」や「死後の世界」を意識し、霊魂不滅の考えを語るようになりました。

 

 『ゲーテとの対話』では、著者のエッカーマンに対して次のように語っています。「私にとって、霊魂不滅の信念は、活動という概念から生まれてくる。なぜなら、私が人生の終焉まで休みなく活動し、私の現在の精神がもはやもちこたえられないときには、自然は私に別の生存の形式を与えてくれるはずだから」(木原武一訳)


 渡部先生は「キリスト教の研究家にこんなことを教えてもらいました。人間が復活するときは、最高の知性と最高の肉体をもって生まれ変わるということです」と言われました。わたしが「これらかもずっと読書を続けていけば、亡くなる寸前の知性が最高ということですね。そして、その最高の知性で生まれ変われるということですね」と言ったところ、先生は「そうです。それに25歳の肉体をもって生まれ変われますよ」と言われました。これほど嬉しい言葉はありません。わたしは「それを信じてがんばります。まさに『安心立命』であります」と述べました。

 

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   生涯忘れられない対談となりました


 

 わたしは、ゲーテと同じく理想の知的生活を実現された、おそらく唯一の日本人であろう渡部昇一先生に対して、エッカーマンのような心境でお話しを伺わせていただきました。渡部先生は現在84歳ですが、95歳まで読書を続け、学び続けると宣言されていました。渡部先生ほどの現代日本最高の賢者でも学ぶことをやめない。そのことに、わたしは猛烈に感動しました。そう、人は死ぬまで学び続けなければならないのです!


 『永遠の知的生活』は、12月17日に全国の書店およびネット書店で発売されます。「読書」や「知的生活」そして「幸福な余生」に興味のある方は、きっとご満足いただけることと思います。どうぞ、ご一読を!