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亜人(1~3巻)』

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No.0884

 

 『亜人』1~3巻、桜井画門著(講談社)を読みました。

 昨年の上半期に大ブレイクしたホラー・ファンタジー・コミックです。3巻あわせて、すでに130万部を突破しています。わたしは、その存在を『このマンガがすごい! 2014』(宝島社)で知ったのですが、2014年のベスト20ランキングで堂々の3位に輝いていました。

 

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   『亜人』第1巻の帯


 同書には、「3月に第1巻が発売されると、ダークな世界観や亜人の設定を活かしたバトルシーンが口コミとネットでじわじわと好評を博し、第2巻の発売を機に大ブレイク! 『「(進撃の)巨人」の次は「亜人」か!?』と、センセーショナルな評判が世間の耳目をさらった」と書かれており、わたしは興味を持ちました。


 また、同書では『亜人』の「STORY」が以下のように紹介されています。


 「人類のなかに、決して死なない新生物『亜人』が発見された。亜人には懸賞金がかけられることになる。間近に控えた夏休みを前に主人公・永井圭は下校中に交通事故に遭い、即死するが、亜人として蘇生。追跡の手から逃げるさなか、圭は亜人の隠された能力『黒い幽霊』に気づく」


 絶対不死者の物語ということで、わたしは小野不由美の大作ホラー『屍鬼』のような内容を想像しましたが、それは裏切られました。


 亜人とは、いわゆる吸血鬼でもゾンビでもありません。もともと「死」がプログラムに組み入れられていない生物なのです。それにしても自分が亜人であるとわかった瞬間から、周囲の人間たちに追われる環境の変化は恐怖以外の何ものでもありません。これは「差別」や「いじめ」のメタファーであることは明白でしょう。それは、いつだって突然起こるのです。


 亜人は世界中で47体生存するとされています。彼らは集結してコミュニティを築くことができるのか。そして、彼らを迫害する人類と対決するのか。


 まだ物語が始まったばかりで先の展開が読めませんが、著者の物語の構成力はなかなかのものだと思います。また、その画は力強くて一種独特の魅力があります。バトルシーンのスピード感もかなりの迫力です。何より「絶対死なない」ことを自覚している亜人の戦い方が衝撃的です。


 SFコミック『進撃の巨人』と同じく、『亜人』は超人的存在を描く作品ですが、両者に共通しているのは「人間とは何か」を読者に問う点です。「人類とは何か」と言い換えてもいいでしょう。そして、『亜人』の場合は、さらに「共同体とは何か」「差別とは何か」「生命とは何か」「死とは何か」といった哲学的な問いを含んでいます。これからの展開に大いに注目したいと思います。