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「ミッション」は武器になる』

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No.1742


『「ミッション」は武器になる』田中道昭著(NHK出版新書)を読みました。「あなたの働き方を変える5つのレッスン」というサブタイトルがついています。著者は、立教大学ビジネススクール(大学院ビジネスデザイン研究科)教授。シカゴ大学経営大学院MBA。専門は企業戦略&マーケティング戦略及びミッション・マネジメント&「リーダーシップ。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)、バンクオブアメリカ証券会社ストラクチャードファイナンス部長(プリンシパル)、ABNアムロ証券会社オリジネーション本部長(マネージングディレクター)等を歴任し、現在は株式会社マージングポイント代表取締役社長。主な著書に『アマゾンが描く2022年の世界』『2022年の次世代自動車産業』(PHP(ビジネス新書)、『ミッションの経営学』 (すばる舎リンケージ)があります。

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本書の帯

 

 本書の帯にはマイクを持って語る著者の写真とともに、「立教大学ビジネススクール白熱教室!」「言葉にすれば、仕事の迷いは一瞬で消える。」「『ストレングス・ファインダー』『セルフリーダーシップ』」etc.経営学とマーケティング理論を凝縮した5項目!」と書かれています。

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本書の帯の裏 

 

また帯の裏には「あなただけの宣言書をつくる」として、以下のように書かれています。
①ストレングス・ファインダー・・・強味の再発見
②キャリアデザイン・・・長期目標を考える
③セルフブランディング・・・価値観を知る
④ポジショニング・・・解決すべき課題を決める
⑤セルフリーダーシップ・・・動詞を定める

 

 本書のカバー前そでには、こう書かれています。
「あなただけのミッションを言葉にできれば、『仕事の迷い』は一瞬で消える。本書は、経営学やマーケティング理論を凝縮した"5つのレッスン"で、武器となるステートメント(宣言文)を作成する一冊だ。①強みを再発見し、②キャリアパスを考え、③価値観を知り、④解決すべき課題を決め、⑤ミッションの動詞を定める。立教大学ビジネススクールの白熱教室を完全再現!」

 

本書の「目次」は、以下の通りです。
「はじめに」
序論 なぜミッションなのか
レッスン1 ストレングス・ファインダー 
                      強みを再発見する
レッスン2 キャリアデザイン 
                      長期目標を考える
レッスン3 セルフブランディング 
                      価値観を知る
レッスン4 ポジショニング 
                      自分が解決すべき課題を決める
レッスン5 セルフリーダーシップ 
                      ミッションの動詞を定める
結論 「ミッション」は武器になる
「おわりに」

 

 ミッションとは何か。「はじめに」で、著者はメーテルリンクの童話『青い鳥』を取り上げ、「ミッションとは、童話に出てくる『青い鳥』のようなものではないかと私は考えています。なぜなら、『ミッションは目の前の仕事の中にあるもの』だからです」と述べています。また、ミッションとは「存在意義」や「自分が生まれてきた意味」、あるいは「生きる目的」であり、決して遠い未来の遠い場所にあるものではないと指摘します。すでに「今ここ」に存在しているものだというのです。

 

 著者は、ミッションについて以下のように述べています。
「長年の経験で気づいたのは、実はミッションはその人の中にすでに内在しているものを見つけ出す作業にすぎないということです。これが『ビジョン(Vision)』であれば、少し意味が違ってきます。将来の夢や将来の姿を意味するビジョンは、中長期の戦略であり、自分で『つくり出すもの』です。つくり出すためには、さまざまな努力が必要であり、少しだけ背伸びをして自分をストレッチする必要があります」

 

 しかし、ミッションは、言ってみればビジョンよりもより上位の概念であるとして、著者はこう述べます。
「未来の中にあるものではなく『今ここ』という現在にあるもの、つまり自分の中に潜在的にあって『見つけ出すもの』です。これまでの自分や現在の自分をきちんと『整理整頓』していけば、必ず自分の中から見つけ出すことができます。ゆえに、誰もが普段の仕事を通じてすでに持っているもの、あるいは誰もが普段の仕事の中で実行していることが、すなわちミッションです」

 

 序論「なぜミッションなのか?」では、著者は「ミッションの本当の意義とは何か」として、ミッションとは、存在意義や使命、自分が生まれてきた意味や生きる目的であると指摘します。そして、「ビジョンが将来の夢や生きる目標を意味する言葉であるのに対し、ミッションとは使命や生きる目的を意味する言葉です。つまりは、ミッションとは、未来の中にあるものではなく、『今ここ』という現在にあります」と述べます。
 さらには、「自分の仕事を通じて顧客や社会の問題を解決して、自分の仕事を通じて価値を提供していくことが大切です。『自分の目の前にある仕事の中にすでに存在しているもの』こそがミッションなのです」と述べるのでした。

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ミッショナリー・カンパニー』(三五館)

 

「ミッション」という言葉は、わたしもよく使う言葉です。わたしは、社長を務めるサンレー創立50周年記念に『ミッショナリー・カンパニー』(三五館)を上梓したのですが、そのカバー前そでには以下のように書かれています。「『創業守礼』と『天下布礼』。この二つの言葉は、わが社の原点であり未来です。一九六六年、佐久間進会長は万人に太陽の光のように等しく冠婚葬祭のサービスを提供したいと願って、サンレーを創業しました。そして、その根底には『礼』すなわち『人間尊重』の精神がありました。
 この創業時に掲げた『人間尊重』の精神を忘れないことが『創業守礼』であり、『人間尊重』の精神をあらゆる場所で、あらゆる人々に伝えることが『天下布礼』です。『人間尊重』は、わが社の大ミッションでもあります」

 

 一般的に「ミッション」とは「使命」のことであり、「ミッショナリ―・カンパニー」は「使命のある会社」という意味になります。『論語』には「五十にして天命を知る」という言葉がありますが、まさに創立50年を迎えたわが社は、天から与えられた使命としての「ミッション」を知らなければなりません。
 わが社の小ミッションは「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」です。冠婚葬祭ほど、人間関係を良くするものはありません。そして、わたしたちの理想はさらに大ミッションである「人間尊重」へと向かいます。太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神です。20071106211835.jpg
上海で「天下布礼」を打ち出しました

 

 わが社の活動の根底には「天下布礼」という思想があります。これは、「サンレーの創業時に佐久間会長が掲げていたスローガンです。2008年、わたしが上海において再び社員の前で打ち出しました。中国は孔子が生まれた国です。2500年前に孔子が説いた「礼」の精神とは「人間尊重」そのものだと思います。上海での創立40周年記念パーティーで、わたしは社員のみなさんの前で「天下布礼」の旗を掲げました。

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織田信長は「天下布武」を唱えました

 

 かつて織田信長は、武力によって天下を制圧するという「天下布武」の旗を掲げました。しかし、わたしたちは「天下布礼」です。武力で天下を制圧するのではなく、「人間尊重」の思想で世の中を良くしたいのです。わが社の小ミッションは「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」です。冠婚葬祭ほど、人間関係を良くするものはありません。そして、わたしたちの理想はさらに大ミッションである「人間尊重」へと向かいます。

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世界孔子協会の孔健会長と

 

 太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神です。だから、わたしは「礼」の精神が誕生した中国の地で「天下布礼」という言葉を持ち出したのです。
 上海での記念祝賀会では、「摩天楼そびゆる魔都の宴にて 天下布礼の旗を掲げん」という短歌を披露しました。まさか、その5年後に「礼の実践」を評価されて第2回「孔子文化賞」を授与されるとは夢にも思いませんでした。

 

 かつて「エクセレント・カンパニー」および「ビジョナリー・カンパニー」というコンセプトが非常に流行しました。それぞれ世界的ベストセラーになったビジネス書のタイトルに由来するものでしたが、それらを超える新時代の企業コンセプトとして「ミッショナリー・カンパニー」を提唱し、かつ目指したいと思います。何よりも大切なのは使命感だと確信します。