No.1332 人生・仕事 | 冠婚葬祭 | 神話・儀礼 | 経済・経営 『ミッショナリー・カンパニー』 佐久間庸和著(三五館)

2016.10.14

  『ミッショナリー・カンパニー』(三五館)の見本が出ました。本書の発行日は2016年11月18日となっています。そうです、株式会社サンレー創立50周年の当日です。

ミッショナリー・カンパニー』(三五館)

 発売日のほうは、10月22日を予定しています。
 「サンレーグループの大いなる使命」というサブタイトルがついています。
 著者ですが、「一条真也」ではなく、「佐久間庸和」となっています。

 これで3冊揃いました

 これまで、ペンネームでは多くの著書を上梓してきました。しかし、本名、そして、サンレーの社長としては、『ハートフル・カンパニー』『ホスピタリティ・カンパニー』(ともに三五館)に続く3冊目の出版となります。 今回の『ミッショナリー・カンパニー』は、50周年記念出版になります。

    本書の帯

 本書の帯にはわたしの写真が使われ、「50th anniversary」の文字が躍り、さらに「五十にして天命を知る!」「ミッション(使命)のある会社しか発展できない」「冠婚葬祭のリーディングカンパニーを輝かせる理念と実践とは?」「株式会社サンレー創立50周年記念出版」と書かれています。

    本書の帯の裏

 また、カバー前そでには以下のように書かれています。 「『創業守礼』と『天下布礼』。この二つの言葉は、わが社の原点であり未来です。一九六六年、佐久間進会長は万人に太陽の光のように等しく冠婚葬祭のサービスを提供したいと願って、サンレーを創業しました。そして、その根底には『礼』すなわち『人間尊重』の精神がありました。 この創業時に掲げた『人間尊重』の精神を忘れないことが『創業守礼』であり、『人間尊重』の精神をあらゆる場所で、あらゆる人々に伝えることが『天下布礼』です。『人間尊重』は、わが社の大ミッションでもあります」

    「ホスピタリティ・カンパニー」から「ミッショナリー・カンパニー」へ

 本書の「目次」は、以下のようになっています。

「まえがき」
第1章 ホスピタリティ・カンパニー―2011年12月
お客様に何を贈ることができるか ホスピタリティは心のギフトだ!
第2章 礼業の王道をゆく―2012年1月~12月
無財の七施とは何か?いま、ブッダの考え方を知ろう
坂の下にたなびく紫の雲 老いと死を陽にとらえる時代へ
おかげさまで、孔子文化賞受賞 天下布礼をさらに加速しよう!
人間尊重をめざして サンレーグループは礼業だ!
新しい仲間を迎え、”和のこえ”で福を呼び込もう
『論語』という船に乗って、世界一の礼の実践をめざそう!
この世はすべて有縁である 無縁社会などありえない!
続々と新施設がオープン 土地と人をさらに輝かせよう!
注目されるサンレーの会社行事 儀式マネジメントの模範となろう!
深刻化する領土問題 礼こそは究極の平和思想
神道は日本人の心の柱 グリーフケアこそ産霊である!
小よく大を制す…柔道ストラテジーで勝つ
第3章 儀式産業の誇り―2013年1月~12月
サムシング・グレートを感じ 心からの祈りを捧げよう!
見えない縁を可視化する 冠婚葬祭こそ家族の縁だ!
老人漂流社会の到来 さあ、サンレーの出番だ!
海賊とよばれた男に学ぶ 『人間尊重』がミッションだ!
利の元は義である 黄金の奴隷たるなかれ!
非道を知らず存ぜず 正々堂々と王道を歩もう!
人間にとって必要なものとは? 真のインフラ企業をめざそう!
死を直視する時代 人々に希望を与えよう!
儀式の意味を考える 人生儀礼で人を幸せにしよう!
もてなしの時代 相手の喜ぶことをしよう!
新しい儀式文化の創造 禮鐘が日本の葬儀を変える!
創業守礼は初期設定で、天下布礼はアップデートだ!
第4章 慈礼の発見―2014年1月~12月
慈しみの心が世界を救う 大いなる慈礼の時代へ
今だって乱世だ! われら平成の軍師とならん!
『慈経』が日本を救う 日本仏教をアップデートしよう!
笑う門には和が来る 和来で心を一つにしよう!
冠婚葬祭は文化の核 誇りをもって取り組もう!
全互連の会長に就任 互助の心で有縁社会を!
これでいいのか日本仏教? 孔子の末裔として礼を広めよう!
人間尊重の「かたち」 礼の実践に努めよう!
人類の未来を育む礎に 冠婚葬祭業の使命を知ろう!
高まる終活ブーム 人生を修める時代が来た!
ミャンマーでの感動体験 「人間尊重」は世界共通だ!
現代日本最高の賢者と対談 『永遠の知的生活』とは何か?
第5章 日本人を幸せにする―2015年1月~12月
日本人とは何か? その答えは冠婚葬祭にある!
高野山開創1200年 超天才・空海に学ぼう!
「おもてなし」は日本文化の清華 慈礼の精神で追求しよう!
若き桜よ咲き誇れ! 礼の社で「おもてなし」を!
豊崎紫雲閣オープン! 守礼之邦の生き方に学ぶ
目に見えないものを 目に見せる魔術師になろう!
サンレー流コンパで 心を開いて語り合おう!
戦後70年を迎え  死者を弔うことの意味を知る
お墓について考える季節 さまざまな葬送の「かたち」
夜空の月は動かず  志を曲げずに生きよう
創立49年を迎え  和を求めてさらに前進しよう!
バリ島で感じたこと 葬儀は直接芸術だ!
第6章 ミッショナリー・カンパニー―2016年1月~11月
いよいよ創立50周年の年 わが社の天命を知ろう!
ゲスの極みにならないために きちんと冠婚葬祭をしよう!
インドで悟ったこと 太陽と死は平等だ!
新入社員のみなさんに問う 死ぬまでに何をやりたいか?
熊本地震の発生に思う 冠婚葬祭で世直しをしよう!
茶道は究極のおもてなし 「こころ」を「かたち」にするプロになろう!
儀式は絶対になくならない 人間には礼欲があるからだ!
日本仏教の本質とは グリーフケア文化装置だ!
島田裕巳氏との対談で悟る 葬儀は永遠のセレモニーだ!
儀式の本質を考え抜く 儀式なくして人生なし!
おかげさまで50周年 ミッショナリー・カンパニーへ!

 早いもので、わたしが2001年10月に代表取締役社長に就任してから丸15年が経過し、わが社も無事に50周年を迎えることができました。これも、ひとえに社員各位、関係者のみなさま、そして、何よりもサンレー会員様、お客様のおかげです。心より感謝いたします。 本書に収録されている文章は、わたしが社員のみなさんの前で話したメッセージです。いわゆる「社長訓示」と呼ばれているものですね。すべてのメッセージは毎月の社内報に掲載してきました。また、わたしのホームページ上にも「マンスリーメッセージ」としてアップされています。社内向けのメッセージを外に向けてもオープンにしているわけです。いわば、「公開社長訓示」と言えるでしょう。もちろん同業者にも読まれるわけですから、ある意味ではリスクの高い行為であることは重々承知しています。

 しかし、これには、理由があります。多くの方々に「サンレーの社長はこんなことを言っているが、現場では本当に実践できているのか」とチェックしていただきたいのです。いくら社長が口でうまいことを言ったとしても、お客さまと接する現場で生かされていなければ何にもなりません。それを、ぜひ見ていただきたいのです。実際、「ちゃんと実行できているね」とお褒めの言葉をいただくこともあれば、「あそこの施設では、社長の考えと反対のことをやっているよ」とお叱りの言葉をいただくこともあります。どちらも、ありがたいアドバイスであり、本当に感謝しています。

 また、最近ではホームページでの「公開社長訓示」を同業他社の経営者や社員の方々もよく読んで下さっているようです。自社での朝礼やスピーチなどで使わせてもらったという声もよく頂戴します。わたしの言葉が、またわが社の取り組みが何かのヒントになれば、こんな嬉しいことはありません。そういった方々の「ぜひ、1冊の本にまとめてほしい」という声をたくさん頂戴しました。そこで、50周年の記念ということもあり、本書を上梓することを決めました。

 本書のタイトルは『ミッショナリー・カンパニー』としました。「ミッション」とは「使命」のことであり、「ミッショナリ―・カンパニー」は「使命のある会社」という意味になります。『論語』には「五十にして天命を知る」という言葉がありますが、まさに創立五〇年を迎えたわが社は、天から与えられた使命としての「ミッション」を知らなければなりません。 わが社の小ミッションは「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」です。冠婚葬祭ほど、人間関係を良くするものはありません。そして、わたしたちの理想はさらに大ミッションである「人間尊重」へと向かいます。太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神です。

 わが社の活動の根底には「天下布礼」という思想があります。 これは、「サンレー会長が掲げていたスローガンです。 2008年、わたしが上海において再び社員の前で打ち出しました。中国は孔子が生まれた国です。2500年前に孔子が説いた「礼」の精神とは「人間尊重」そのものだと思います。上海での創立40周年記念パーティーで、わたしは社員のみなさんの前で「天下布礼」の旗を掲げました。

 かつて織田信長は、武力によって天下を制圧するという「天下布武」の旗を掲げました。しかし、わたしたちは「天下布礼」です。武力で天下を制圧するのではなく、「人間尊重」の思想で世の中を良くしたいのです。天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることがわが社の使命です。わたしたちは、この世で最も大切な仕事をさせていただいています。これからも冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをしていきたいです。

 かつて「エクセレント・カンパニー」および「ビジョナリー・カンパニー」というコンセプトが非常に流行しました。それぞれ世界的ベストセラーになったビジネス書のタイトルに由来するものでしたが、それらを超える新時代の企業コンセプトとして「ミッショナリー・カンパニー」を提唱し、かつ目指したいと思います。何よりも大切なのは使命感だと確信します。

 各メッセージの最後には、内容の要約となる短歌が掲載されています。 「庸軒」は、わたしの歌詠みの雅号です。江戸時代の石田梅岩が開き、商人を中心とした庶民のあいだで盛んになった「心学」では、人の道を説くメッセージ・ポエムとしての「道歌」が多く詠まれました。五・七・五・七・七のリズムは日本人の心の奥にまでメッセージを届ける力を持っています。本書に登場する短歌も、けっして芸術性の追及ではなく、社員すなわち読者のみなさんの理解を深めていただくための道歌をめざして詠んだものです。

 また、巻末には「社長のおススメ本」というブックリストが掲載されています。これは、毎月の社内報で、わたしがサンレーグループの社員向けに紹介した「仕事に役立つ」本の一覧です。こちらは、2003年1月から2016年12月までのおススメ本170冊を一覧にして掲載してあります。これらの本を読まれた社員のみなさんと本の感想について語り合ったものです。これからも、わが社は学び続けるラーニング・オーガニゼーションをめざしたいです。「まえがき」の最後、わたしは以下の道歌を披露いたしました。

    かねてより天からの命おぼえれど
        わが社(やしろ)いま知命迎へり(庸軒)


 

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