No.1013 人間学・ホスピタリティ | 哲学・思想・科学 『あのね だいじょうぶ だいじょうぶ』 吉丸房江著(致知出版社)

2014.12.08

 『あのね だいじょうぶ だいじょうぶ』吉丸房江著(致知出版社)を再読しました。
 著者は、27歳と30歳で父母を相次いでがんで亡くし、現代医学への疑問から東洋医学、東洋思想を学び、老子の思想にふれた人です。

 老子は、「人間は二千五百年ののちには、人間の拵(こしら)えたもので滅びるであろう」という意味の言葉を残しました。

 著者は、「そのときが来ました。すべては人災で、めまぐるしい世の中、人の心も体も空気も水も大地も病んでいます」と言います。あまりにも人間のエゴが大きくなり、「地球までも自分たちのものだ」という振る舞いです。今、反省するときが来たというのです。

 では、どうすればいいのでしょうか?

 「はじめに言霊(ことだま)ありき」で、昔から言葉には霊力があるとされています。だから、どんどんいい言葉を使えば、この世界はよくなるはずです。

 でも、わたしたちには幼いころから、「ダメです」「いけません」「弱虫ネ」「ぐずぐずね」「汚いネ」「はやくしなさい」「おくれます」「大嫌い」「かわいくないネ」「できないのネ」といった、マイナスの言葉が刷り込まれてしまっています。

 これらのマイナスの言葉をはねかえすために、言われた言葉よりも多く、「大丈夫、大丈夫」と言ってみる。すると、人間の体は宇宙のエネルギーで創られているから、本当に「ハイ大丈夫」となるそうです。

 エネルギーが入りやすいように、素直で明るくあたたかい心で、「ありがとう」と感謝をしていたら、どんな病気でもすぐ治るというのです。本書は、心の中に宇宙のエネルギーを引き入れる本なのです。

 なお、本書は『面白いぞ人間学』(致知出版社)でも取り上げています。

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