No.0579 人間学・ホスピタリティ 『宇宙を味方にする方程式』 小林正観著(致知出版社)

2012.04.10

 『宇宙を味方にする方程式』小林正観著(致知出版社)を再読しました。

 著者は心学研究家として多くの名著を書かれましたが、昨年10月に病気のために亡くなられました。著者を先達と仰ぎ、21世紀の「心学」の道を求めるわたしは、代表的な著作を再読し、また一連の遺作を読むことにしたのです。

 本書で、著者は「嬉しい」「楽しい」「幸せ」と喜ばれる存在になろうと唱えます。実際に、その頭文字をとった「うたし会」を主宰していました。

 さらに、3つの言葉に「愛している」「大好き」「ありがとう」「ついてる」を加えて、この7つの言葉を口に出すだけで、毎日、幸せに過ごすことができるといいます。

 また、すべての悩みは「そ・わ・か」で解決できると説きます。著者いわく、悩み苦しみというのをよく見てみると、大きく3つのジャンルに分かれます。

 その一番大きなものはお金と仕事の問題。二番目が体と健康のこと。三番目が人間関係。

 この3つを解決する「そ・わ・か」とは何でしょうか。

 般若心経やいろいろなお経を見ると、最後が「薩婆訶(そわか)」で締めくくられているものがたくさんあります。でも、著者の言う「そ・わ・か」はお経とは無関係です。この「そ・わ・か」は「掃除・笑い・感謝」のことだそうです。この3つを覚えておくと、悩み苦しみ、苦悩煩悩は一切なくなるとか。

 お金と仕事の問題は、「掃除」をしていればなくなってしまいます。体と健康の問題は、「笑って」いればいいそうです。人間関係については、感謝、「ありがとう」を言っていればいいのです。

 「本当の幸せの極というのは、何事も起きないこと。特別なことが何も起きていないというのが、ものすごく特別なこと」と述べる著者の話はまったく肩が凝りません。

 読んでいるうちに、なんだか元気になってくるから不思議です。

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