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「仕事の達人」の哲学』

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 No.0275

 

 『「仕事の達人」の哲学』渡部昇一著(致知出版社)を再読しました。

 

 大正から昭和の初期にかけて、日本に「修養」という概念を確立した男。それを核として数々の雑誌を創刊し、講談社という世界的な出版社の礎を創り上げた男。


 出版界の快男児・野間清治の人生を描いた本です。


 野間清治は、江戸時代に隆盛を極めた心学的なアプローチを完全復活させて、「日本人であれば誰でも理解できる」という共通理解の水準を高めた人物でした。


 石田梅岩の心学では神道・仏教・儒教のそれぞれの良い部分を取り入れた「人間主義」をもって、日本の商人哲学の基本を作りました。


 その思想的後継者にあたる人物が2人いると著者は述べます。


 1人は近代日本最大の実業家・松下幸之助であり、彼の心学は「PHP」思想として結実しました。もう1人が野間清治であり、心学を重んじる彼の理想は「修養」へと向かいます。


 大切なことは、人間の魂に、自分の精神に、磨きをかけること。


 こうした心学、あるいは修養の意義をよく知っていた野間は、出版界の伝説ともなっている『修養全集』を発刊します。


 その第1巻では、孔子、釈迦、キリスト、ソクラテス、果てはマホメットまでが一堂に会しているのです。


 野間は、人類が宗教を超えて仲良くし、世界が平和になることを夢見ていたのです。


 こんな野間こそは松下幸之助と並んで、日本人が世界に誇るべきユニークな思想家であると著者は断言します。壮大な志を抱いた快男児は「仕事の達人」でもありました。


 本書には、彼の仕事哲学、人生を成功へと導く鉄則が満載です。


 読むと、ものすごく元気が湧いてきます!


 わたしは昨年、『世界の幻獣エンサイクロぺディア』(講談社)という本を監修しました。


 ちょうど講談社創業100周年の年でしたが、その見本を初めて手に取ったとき、100年前の野間清治の志が思い起こされて非常に感慨深いものがありました。


 本当は、続いて講談社から『世界の聖人エンサイクロぺディア』を出したかったです。


 その企画は実際に進行していましたが、諸般の事情で流れてしまいました。残念です。