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財運はこうしてつかめ』

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No.0278

  

 『財運はこうしてつかめ』渡部昇一著(致知出版社)を再読しました。

 

 一貫して心ゆたかな人生を追及している著者の本のタイトルに「財運」とつくのは意外な感じがします。しかし、本書はやっぱり心ゆたかな人生を送るための本でした。


 日本では、ずっと年金問題が紛糾しています。


 この国の政府は、年金行政を完全に失敗したのです。


 そもそも、労働者の老後のために年金を出し始めたのはドイツの大政治家ビスマルクだそうですが、現在の視点から見ればそれは2つの楽天的見通しにもとづいていました。


 第1に、ビスマルクが先進国の平均年齢を50歳と漠然ながらも信じていたこと。


 第2は、人口は必ず増加するものであると信じていたことです。


 現在では、2つの見通しともに完全に狂っていたことがわかります。


 加えて、日本では例の行政の大チョンボ。


 もはや、年金の財源のための秘策はないとさえ思われます。


 そこで、「国の社会主義的政策に頼り切らずに自分の人生設計をする時代に戻りつつあるという認識が必要である」と、著者は喝破します。


 かつて、われわれが自助の精神で安泰なる経済生活の基礎をつくり、豊かな財運を招来する王道を示した人物が日本にいました。


 本多静六という人です。極貧の貧乏学生から東大教授となり、日本初の林学博士として目覚しい業績をあげ、独自の貯蓄・投資法で大富豪となり、かつ、晩年は多額の資金の寄付で知られた人です。


 この本には、本多静六という本物の賢者による、本物のアドバイスが満載です。


 国境の低くなった今、世界経済はアダム・スミスの時代に戻っています。


 そして、アダム・スミスのいう市場原理が復活しつつあります。


 それは、個人の生き方に置き換えれば「セルフ・ヘルプ」の復活ということです。


 そう、本書は、「セルフ・ヘルプ」時代の新しいバイブルなのです。