No.0119 人間学・ホスピタリティ 『心に響く小さな5つの物語』 藤尾秀昭著(致知出版社)

2010.07.23

 致知出版社の藤尾秀昭社長から、暑中見舞いの書状が届きました。『心に響く小さな5つの物語』という御著書が同封されていました。

 人間学雑誌『致知』の開巻1ページ目にひそかに掲載される一文を集めた本です。わたしは5つの話をすべて読んでいましたが、本書には片岡鶴太郎さんによる素敵な絵が添えられており、新たな気持ちで読みました。そして、新たな感動をおぼえました。

 暑中見舞いの書状には、挨拶の言葉の後、次のように書かれていました。

 「先に、同封のような本を出版しました。
 活字を読まなくなったという最近の子どもたちに、
 少しでも本を読む習慣を付けてほしい
 少しでも、人生について考えてほしい
 という思いから、出版したものです。
 幸い、子どもたちもこの本に、期待通りの反応を返してくれています。」

 そして、本書に感動して、両親や学校の先生や周囲の人々に感謝の念を抱いたという中学1年生の感想文が添えられていました。本書は活字も大きく、挿絵も付いているので、読書の習慣のない子どもたちにも読みやすいことと思われます。

 本書には、「夢を実現する」「喜怒哀楽の人間学」「人の心に光を灯す」「人生のテーマ」「縁を生かす」という5つのエピソードが収められています。

 わたしは、『致知』の巻頭文をいつも楽しみに読んでいますが、その中でも特に心に響いたものばかりが厳選されていました。けっして著者の創作ではなく、著者自身が深く感動した実話をもとにしているので、必ず読む者の琴線にふれるのでしょう。

 著者には、『致知』の巻頭文を集めた本として、『小さな人生論』シリーズもあります。そこには、『論語』や『大学』や中江藤樹や二宮尊徳や安岡正篤など、人間学を学ぶ上で欠かせない書物や先賢が、感動のエピソードとともに多数登場します。

 そのすべては支流となって『致知』という大海に穏やかに流れ込んでいます。その大海に小さな舟を浮かべ、人生を豊かにする言葉を釣り上げている釣り人が藤尾秀昭その人なのです。 

 さて、活字を読まなくなったのは最近の子どもたちだけではありません。最近の大人たちも活字を読まなくなりました。そんな大人たちにも、少しでも本を読む習慣を付けてほしい。少しでも、人生について考えてほしい。という思いから、かつて、わたしは『面白いぞ人間学』という本を書きました。もちろん、人間学の殿堂である致知出版社からです。

 銀座の画廊「晶アート」のオーナーである大川原有重さんも、昨日、自身のブログで同書を取り上げていただき、「何故読書するのか」という記事で紹介して下さってました。

 「人生の糧になる101冊の本」というサブタイトルからもわかるように、大人が人生について考えるブックガイドになっています。藤尾秀昭著『小さな人生論』シリーズも取り上げられています。

 この夏休み、『心に響く小さな5つの物語』と『面白いぞ人間学』を、ぜひ親子でお読み下されば幸いです。

 藤尾社長、素晴らしい本をお送りいただき、本当にありがとうございました。

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