No.0050 グリーフケア | 死生観 『また会えるから』 一条真也著(現代書林)

2010.04.18

 わたしの新刊『また会えるから』(現代書林)が発売されました。 愛する人を亡くした人のためのグリーフケア・フォト・ブックです。

 『愛する人を亡くした人へ』(現代書林)がおかげさまで好評をいただいています。

 この本の中から、CD「また会えるから」が生まれました。

 この歌の作詞は、わたしが手がけました。「また会えるから」という言葉には希望と祈りが込められています。

 死別はたしかに辛く悲しい体験ですが、その別れは永遠のものではありません。

 人は必ず、また愛する人に会えるのです。この世界には、さまざまな信仰や考え方があります。

 しかし、どれもが故人との再会を約束しています。 風や光や雨や雪や星として会える。 夢で会える。 あの世で会える。 生まれ変わって会える。 そして、月で会える。

 いずれにしても、必ず再会できるのです。 ですから、死別というのは時間差で旅行に出かけるようなものなのです。 先に行く人は「では、お先に」と言い、後から行く人は「後から行くから、待っててね」と声をかけるのです。 それだけのことなのです。

 考えてみれば、世界中の言語における別れの挨拶に「また会いましょう」という再会の約束が込められています。

 日本語の「じゃあね」、中国語の「再見」もそうですし、英語の「See you again」もそうです。フランス語やドイツ語やその他の国の言葉でも同様です。 これは、どういうことでしょうか。 古今東西の人間たちは、つらく、さびしい別れに直面するにあたって、再会の希望をもつことでそれに耐えてきたのかもしれません。 でも、こういう見方もできないでしょうか。 二度と会えないという本当の別れなど存在せず、必ずまた再会できるということを人類は無意識のうちに知っているのだと。 その無意識の底にある真理が、別れの挨拶に再会の約束を重ねさせているのだと。 わたしたちは、別れても、必ずまた、愛する人に再会できるのです。 そういった想いを詩に込めました。 本書は、わたしの詩に美しい写真が添えられています。 沖縄在住の写真家である安田淳夫さんが撮って下さいました。 安田さんの撮影する海や太陽や月の写真は本当に美しく、ながめていると何だか泣きたくなってきます。 そこには、大きな「癒し」の力が秘められています。 今回、その「癒し」の力をお借りしました。 このフォト・ブックが、愛する人を亡くされた多くの方々の悲しみを癒してくれれば、こんなに嬉しいことはありません。 プレゼントなどにも最適ですので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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