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いかに生くべきか』

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No.1637


 今回は、『いかに生くべきか』安岡正篤著(致知出版社)です。もうすぐ終わる「平成」という元号は、陽明学者の安岡正篤によって考案されました。「東洋倫理概論」というサブタイトルがついた本書は、その名のとおり「倫理」について書かれた本です。

 本書を一読して非常に感心したのは、人生の倫理を3つに分けて論じていることです。すなわち、早年の倫理としての「志向」、中年の倫理としての「敬義」、そして晩年の倫理としての「立命」です。わたしは、もともと「人は老いるほど豊かになる」と考えており、『老福論』(成甲書房)なる著書も上梓したことがあります。

 その考えの基本となったのは、『論語』に出てくる「子ののたまわく、われ十有五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)う。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず」という、あまりにも有名な一節です。この孔子の言葉は、老いることを衰退とせず、一種の人間的完成として見ていることを示しています。その価値観、人生観は本書にも流れています。

 また、「女性と我欲」「女性と敬と恥」「女性と礼」など、女性にとっての倫理についても、あますところなく語られています。昭和4年に書かれたという本書は、なんと90年近く前に書かれた『国家の品格』であり、『女性の品格』なのです!