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南洲翁遺訓の人間学』

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No.1626


 一条真也の読書館『面白いぞ人間学』で紹介した自著紹介を書いていたら、同書で取り上げた101冊の本のうち、まだブログにも読書館にも紹介していないものがあることに気づきました。すべてをブログで紹介し直すわけにはいきませんが、何度読み返しても色褪せない名著だけは遅まきながら取り上げたいと思います。まずは、『南洲翁遺訓の人間学』渡邉五郎三郎(致知出版社)です。

 NHK大河ドラマ「西郷どん」もいよいよ佳境に入ってきましたね。本書では、維新のヒーロー西郷隆盛こと南洲の「品性」に惹かれた著者が、その無私の生き方、天を相手にした生き方を熱く解説しています。

 大正時代に九州で「士族」として生まれた著者は、小さい頃から武士の子としての矜持と言動が求められ、躾けられました。著者の父親は南洲精神を受け継いだと言われる玄洋社や黒龍会の人々と親交がありました。ゆえに、南洲精神は著者の思考・行動の規範であり、その「児孫ノ為二美田ヲ買ワズ」は、家訓でもあったといいます。

 本書の内容は、『南洲翁遺訓』の中から著者が選んだものの解説が中心をなします。『南洲翁遺訓』とは、そのタイトルからもわかるように、南洲自身の著書ではありません。戊辰の役で会津藩とともに最後まで官軍に抵抗した荘内藩の藩士によって書かれ、出版され、全国に広められたものです。

この『南洲翁遺訓』に一貫する思想を著者は次の3つにまとめています。
一.天(絶対)を相手にした生き方が誠の道である。
二.誠は、己れに克つ即ち自分の欲望を制することから養うことが出来る。
三.それには、独りを慎む、間居の時の工夫が肝要である。

『遺訓』の中でも繰り返し言われているように、内容が理解出来ただけでは何にもなりません。それを自分の中にとりこんで、実生活に活用出来るようになって初めて、学が活きてくると著者は述べます。これを「活学」というのです。ちなみに、生涯において「活学」の重要性を唱え続けた安岡正篤は著者の師です。