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墓じまい・墓じたくの作法』

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    No.1109

 

 「一条本」の最新刊『墓じまい・墓じたくの作法』(青春新書インテリジェンス)の見本が届きました。

 もともと『お墓の作法』の仮題で執筆した本ですが、最終的にこのタイトルに収まりました。

 

墓じまい前帯.jpg
    本書の帯


 

 表紙の円の中の写真は木の葉と水です。樹木葬や海洋葬とも関わっているのですが、あまり重たくない雰囲気のものを選びました。
 落ち着いたトーンで版元の編集部でも評判だそうです。
 帯には「どうする? 実家のお墓 どうしよう? 自分のお墓」「受け継がれてきた『心のよりどころ』を守り続けるヒント」と書かれています。

 

墓じまい後帯.jpg
   本書の帯の裏

 


  また帯の裏には、以下のように書かれています。


 「◎お墓が遠くて通えない」

 「◎家族に負担をかけたくない」

 「◎自分らしい選択をしたい」

 「お墓で後悔しないために知っておきたいこと」


 本書の「目次」は、以下の通りです。


「まえがき」
プロローグ お墓に向き合う「こころ」と「かたち」
 ―変えていいもの、いけないもの
お墓とともに遺したい「こころ」
お墓の三つの役割
「お墓やめますか?」
葬儀と埋葬は同じではない

 

第1章 どうする? 実家のお墓、自分のお墓
 ―お墓の現代事情

「家のお墓」から「個人のお墓」へ
お墓選びにも自分らしさを求める時代
個人墓、墓友...女性の意識がお墓を変える
終活ブームの背景にある「迷惑」というキーワード
「迷惑」は建前、「面倒」が本音?
面倒くさいことの中にこそ幸せがある
お墓参りが教えてくれること
人生の節目にご先祖様を思うこころ
お盆の本来の意味
日本人の「こころ」がお盆を必要としている
お盆はいつから「夏季休暇」になったのか
お墓、お仏壇という「かたち」があることの大切さ
お墓参りは日本人の精神を安定させる
「墓守」がいなくなる?
お墓を守りたい気持ちはあるけれど...
少子高齢化とともに無縁墓が増えている
じつは昔からあった無縁墓
昭和初期に指摘されていた「現代のお墓問題」
仏教よりも儒教と関係が深いお墓信仰
なぜ、儒教は葬礼を重んじたのか
そもそも、仏教とお墓は結びついていなかった
「団塊の世代」=「終活の世代」
超高齢化社会が訪れる「2025年問題」
団塊の世代の価値観とは
これまでの葬儀・埋葬を変える人々
反抗心だけを植え付けられた世代
東日本大震災と埋葬
土葬こそ最高の葬法?
いまこそ、沖縄の先祖供養に学ぶべき

 

第2章 「お墓を継ぐ」ということ
 ―墓じまいの作法

墓じまい=墓の処分ではない
お墓という「終の棲家」を空き家にしないために
墓じまいとは「家」をどう継ぐか考えること
「改葬」というお墓の引っ越し
改葬にはこんな費用がかかる
お墓とお寺は切っても切れない関係
最近はやりの「永代供養墓」とは
永代供養は無縁墓になるのが前提
樹木葬で見え隠れする、墓じまいの実態
一人っ子同士の結婚、実家のお墓はどうなる?
親以外の親戚とお墓が一緒の場合
遺骨を自分の手で運べないときは

 

第3章 人生を修めるためのお墓造り
 ―墓じたくの作法

「お墓を買う」とは「使用権を買う」こと
知っておきたいお墓選びの基準
お墓を建てるタイミング
墓じたくの手順と費用
お墓に刻む名前に制約はない
お墓のメンテナンスとリフォーム
「墓相」は気にしすぎなくていい
お墓は基本的に非課税
お墓不足を解消するために生まれた納骨堂
家で供養したい人のための自宅墓
現代の住宅事情に合わせたミニ仏壇
ペンダント、ブレスレットなどの手元供養
遺骨にこだわる日本人の死生観
手元供養は新しい供養のスタイル
グリーフケアとしての手元供養
永遠葬―大切な人とつながり続けるために
海がお墓になる海洋葬
海洋葬はこんなふうに実施する
樹木葬で、花や草木を墓石代わりに
桜を愛する日本人向けの桜葬
衛星ロケットに故人の遺骨を乗せる天空葬
天空葬はこうして誕生した
月をお墓にする月面葬
月への送魂で魂のエコロジーを取り戻す

 

第4章 後悔しないお墓選び
 ―新しい供養のかたち

お墓は足りない? 余っている?
管理料が上がることもある
樹木葬、海洋葬の前に考えたいこと
島全体をお墓にするという新しい取り組み
自然葬後の慰霊をどうするか
無縁墓にしないための努力が必要
「終活」は子や孫とも意思統一を
お仏壇を買う人が減っている背景

 

第5章 お墓の「これまで」と「これから」
 ―お墓のルーツを考える

文明のシンボルとしてのお墓
文化のシンボルとしての埋葬
日本では火葬が主流
縄文時代の「屈葬」が意味するもの
著名人が眠るパリ最大の墓地
ペール・ラシェーズ墓地に見る、お墓の未来
何かを残すことは、お墓を建てることと同じ
なぜ、日本には石のお墓が多いのか
自然から生まれた「石の宗教」
石と塔に込めた日本人のこころ


「あとがき」
《付録》お墓参りの作法
《参考文献》

 

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   「葬儀と埋葬の種類」も図にしました


 

 メーテルリンクの名作『青い鳥』は、わたしの大好きな物語です。
 幸せの青い鳥を求めて、チルチルとミチルが訪れた「思い出の国」は、濃い霧の向こう側にありました。そこは、乳色の鈍い光が一面にただよう死者の国です。この「思い出の国」で、チルチルとミチルの二人は亡くなった祖父と祖母に再会します。
 そこで、おばあさんは「わたしたちのことを思い出してくれるだけでいいのだよ。そうすれば、いつでもわたしたちは目がさめて、お前たちに会うことができるのだよ」と言うのでした。わたしは、この『青い鳥』から、死者は思い出されることを何よりも望んでいるということを知りました。


 そう、思い出しさえすれば、わたしたちは、今は亡きなつかしい人たちに会えるのです。なんと素敵なことでしょうか! そして、「思い出の国」をこの世では「お墓」と呼びます。そのお墓の「かたち」は非常に多様化してきています。従来の石のお墓もあれば、海や山に遺灰を撒く自然葬を求める人も増えてきています。遺骨を人工衛星に搭載して宇宙空間を周回させる天空葬もあれば、月面をお墓にする月面葬もあります。わたしは、人間とは死者とともに生きる存在であると思います。それは、人間とはお墓を必要とする存在だということでもあります。

 

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    「お墓選びチャート」も掲載されています


 

 現在、血縁も地縁も希薄になってきて「無縁社会」が叫ばれ、「葬式は、要らない」という葬儀不要論に続いて、「墓は、造らない」という墓不要論も取り沙汰されているようです。でも、わたしは生き残った者が死者への想いを向ける対象物というものが必要だと思います。以前、『千の風になって』という歌が流行したとき、「私のお墓の前で泣かないでください、そこに私はいません」という冒頭の歌詞のインパクトから墓不要論を唱える人が多くいました。でも、新聞で名古屋かどこかの葬儀社の女性社員の方のコメントを読み、その言葉が印象に残りました。それは「風になったと言われても、やはりお墓がないと寂しいという方は多い。お墓の前で泣く人がいてもいい」といったような言葉でした。その言葉を目にしたとき、すとんと腑に落ちたような気分でした。

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   アマゾン「常識・マナー」新着で1位になりました

 

 わたしは、風になったと思うのも良ければ、お墓の前で泣くのも良いと思います。死者を偲ぶ「こころ」さえあれば、その「かたち」は何でもありだと思っています。そこで、これからは既存のスタイルにとらわれず、自分らしいお墓について考えるということが大切になってきます。
 先祖代々のお墓を引っ越さなければならないという「墓じまい」や、新たにお墓を造るという「墓じたく」も大切な問題です。この本では「お墓」をテーマにして、その過去、現在、未来に触れながら、「どのようにお墓と付き合うか」という作法についても紹介しました。


 9月2日に発売ですが、ぜひ御一読をお願いいたします。