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安生洋二 200%の真実』

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 No.1098


 『安生洋二 200%の真実』安生洋二著(地球丸)を読みました。

 著者は、今年の3月19日に後楽園ホールで引退試合を行ったプロレスラーです。かつて、ヒクソン・グレイシーの道場に単身殴り込みに行ったり、前田日明を殴打して転倒させるなど、さまざまな話題を提供した人物です。

 アマゾンの「内容紹介」には、「緊急出版! 安生洋二引退記念!」として、以下のように書かれています。

 

 「あの伝説のヒクソン・グレイシー事件、前田日明との確執と殴打事件、200%発言、 一億円トーナメントetcの真実とは?! 旧UWF、新生UWF、UWFインターナショナル、新日本プロレス(UWF軍)、キングダム、UFC―J、全日本プロレス、K-1、ハッスルなどに参戦した格闘家・安生洋二の30年間のプロレス人生は様々な事件とともにあった。本書は様々な団体が群雄割拠す1980年代後半からの激動の格闘技界で中心選手として活躍した安生洋二の一代記であり、事件の渦中にいた生き証人でもある安生洋二のインサイドレポートであり、またこれまでどこでも明かしていなかった事件の『真相』と『真実』が初めて明かされる衝撃の書である」

 

 また、アマゾンの「著者について」には以下のように書かれています。


 「1967年3月28日、東京都杉並区出身。
 1985年7月8日、旧UWF=広島県立体育館での星名治戦でデビュー。 旧UWF解散後は、前田日明、高田延彦らとともに新日本プロレスに参戦。1988年、プロレス界に一大ムーブメントを起こした新生UWF旗揚げに参加。89年11月の東京ドーム大会ではムエタイ王者のチャンプア・ゲッソンリットと対戦し、その実力を証明。新生UWF解散後は、高田をエースとするUWFインターナショナルの旗揚げに参加。高田の右腕として活躍する。94年12月、LAのヒクソン・グレイシーの道場に試合の交渉に赴いた際、その場でヒクソンと対戦することになり、 惨敗を喫するも、この行動がのちの高田VSヒクソンにつながっていった」

 

 「95年からは新日本プロレスとの全面対抗戦がメインになり、同年10月の長州力とのシングルス戦で完敗を喫したものの、次の蝶野正洋とのシングルス戦にはコスチュームを一新.ミスター200%としてUWFの枠を超えたプロレス色の強いファイトスタイルとなる。その過程で誕生したのが、当時若手だった高山喜廣、山本健一を従えてのユニット、ゴールデンカップス。プロレスの枠さえも超えたハチャメチャな戦いを繰り広げ、一気に時の人となった。UWFインター解散後は、キングダム、UFC―J、全日本プロレス、K-1、WJプロレスなどに参戦。2004年からはハッスルに参加し、高田モンスター軍のアン・ジョー司令官としても活躍。2015年3月19日、東京・後楽園ホールでの6人タッグ=安生洋二&高山善廣&山本健一VS船木誠勝&鈴木みのる&菊田早苗で30年間の現役生活にピリオドを打つ」

 

 本書の目次は、以下のような構成になっています。


「まえがき」
第1章  前田日明との確執と最悪の結末
第2章  ヒクソン・グレイシーという名の呪縛
第3章  気づいたらプロレスラー
第4章  新生UWFでのジレンマ
第5章  新生UWF電撃解散の裏側
第6章  ミスター200%大爆発!
第7章  死に場所を求めて
第8章  ハッスル! ハッスル!
第9章  今日まで、そして明日から
巻末SPECIAL対談 安生洋二×山本喧一

 

 わたしは、とにかく著者のことが大嫌いでした。
 実際にセメントが強いという評判は聞いていたものの、大ボラ吹きのイメージが強く、また業界の大先輩である長州力や前田日明に対する傲岸不遜な態度には「礼」の欠片も感じられなかったからです。しかし、本書を読むと、著者が本当は非常な「お人良し」であり、悪いイメージはすべて、新生UWFの頭脳であった宮戸優光の差し金であったことがわかります。著者は、この宮戸に言われるまま、新日本プロレスに喧嘩を売り、1億円トーナメントで各団体を挑発し、特に前田日明を挑発しまくり、前田を殴って傷害罪で訴えられ、ヒクソンに道場破りに行って返り討ちに遭ったりしていたのでした。

 

 その他人から人生を翻弄される姿から、わたしは宗教学者の島田裕巳氏を連想しました。かつて、島田氏はオウム真理教にダマされ、オウムを擁護したことによって、地下鉄サリン事件の後には大学教授としての地位を失いました。また、2010年には『葬式は贅沢』のタイトルで上梓するはずだった著書のタイトルを版元から強引に『葬式は、要らない』という過激なタイトルに変更させられ、仏教界と葬儀業界を完全に敵に回してしまいました。さらに近年は、周囲の人々を信用してNPO団体の会長に就任した途端、自分を担ぎ上げた連中の反抗のために苦労を重ねている・・・・・・そんな貧乏クジを引き続ける気の毒な生き様が本書の著者である安生洋二に重なります。ちなみに島田氏は「0葬」というものを提唱していますが、これは安生のキャッチフレーズである「200%」に重なります。
 つまり、「0」も「200%」も極端過ぎるのです!

 

 著者は引退後、東京の世田谷区の用賀にある「市屋苑」という焼き鳥屋さんで働いているそうです。このお店のオーナーは、元新生UWFのフロントで、「1億円を積んだ男」として知られる鈴木健氏です。ここで修業したら、いずれは著者は独立して自分の店を持つ未来図を描いています。さんざん騙され、翻弄され続けてきた著者ですが、最後は信頼すべき人のもとに身を寄せたようで、救われる思いがしました。

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   本書の最後には、こんな写真が・・・

 

 用賀といえば、今度、公益社の用賀会館に見学に行く予定です。

 ですので、その帰りにでも「市屋苑」に寄ってみたいと思います。

 著者は串焼きの焼き場を担当しているそうですが、可能ならば、直接お話してみたいです。そして、この本にも書けなかった裏話を聞いてみたいです。

 

 最後に、著者がこれから幸せな第二の人生を歩まれることを祈っています。