お探しの書名・著者名・キーワード等を入力して下さい

  • HOME
  • 安岡正篤 一日一言
Title

安岡正篤 一日一言』

Category

No.0966

 

 8月13日から会社は盆休みですが、わたしは東京に行きます。いよいよ、尊敬する渡部昇一先生との対談がスタートするのです。渡部先生は、現代日本を代表する「賢人」として知られます。以前は、陽明学者の安岡正篤がよく「賢人」と呼ばれました。


 『安岡正篤一日一言』安岡正泰監修(致知出版社)を再読しました。日本が誇る東洋哲学の巨人による「一日一言」です。数多い著書から実子によって選び抜かれた言葉が集められています。安岡教学の特徴でもありますが、自らの思想に数字をからめて道を説いたものが多いことに気づきます。


 数字でまとめられると、わかりやすいです。また、、何よりも読者の興味を引きやすいですね。安岡正篤は、数字を使って思想を整理する天才でした。後世、安岡正篤の模倣者が多数登場しました。安岡正篤こそは偉大なコンセプトの編集者だったのです。数字にまつわる教えは、他にもたくさんあります。以下、紹介いたします。


「思考の三原則」
一.目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見る。
二.物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、出来得れば全面的に見る。
三.何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える。

 

「政治の四患」
一. 偽(偽ること)
二.私(公私混同すること)
三.放(放埓つまり無責任
四. 奢(奢侈)

 

「四 耐」
一.耐 冷(冷に耐え)
二.耐 苦(苦に耐え)
三.耐 煩(煩に耐え)
四.耐 閑(閑に耐う)

 

「四不」
一.不激(興奮しない)
二.不躁(ばたばたしない)
三.不競(くだらない人間とくだらない競争をしない)
四.不随(人の後ろから、ノロノロとついて行くことをしない)


「五交」
一.勢交(勢力者に交を求める)
二.賄交(財力ある者に交を求める)
三.談交(能弁家に交を求める)
四.窮交(困窮のため苦しまぎれに交を求める)
五.量交(利害を量って得な方に交を求める)

 

「人生の五計」
一.生計(漢方養生訓の合理性)
二.身計(いかに自己を処するか)
三.家計(人間教育の根本は家庭教育にあり)
四.老計(人生の佳境を味わうための計りごと)
五.死計(生死を超越した死に方、生き方)


「人に嫌われぬ為の五か条」
一.初対面に無心で接すること
二.批評癖を直し、悪口屋にならぬこと
三.努めて、人の美点・良所を見ること
四.世の中に隠れて善い事が行われているのに平生注意すること
五.好悪を問わず、人に誠意を尽くすこと

 

「六 然」
一.自處超然(ちょうぜん<自ら処すること>)
    自分自身に関してはいっこう物に囚われないようにする。
二.處人藹然 (あいぜん<人に処すること藹然>)
    人に接して相手を楽しませ心地良くさせる。
三.有事斬然(ざんぜん<有事には斬然>)
    事があるときはぐずぐずしないで活発にやる。
四.無事澄然(ちょうぜん<無事には澄然>)
    事なきときは水のように澄んだ気でおる。
五.得意澹然(たんぜん<得意には澹然>)
    得意なときは淡々とあっさりしておる。
六.失意泰然(たいぜん<失意には泰然>)
    失意のときは泰然自若としておる。

 

「六中観」
一.忙中閑有り
    (ただの閑は退屈して精神が散漫してしまう)
    (忙しい人の方が沢山の本を読むし、人生を楽しんでいる)
二.苦中楽有り
    (苦労のない所に楽しみはない。楽しみと苦しみは紙一重)
三.死中活有り
    (時には死んだつもりになって頑張りたい)
四.壺中天有り
    (現実の世俗的生活の中に自らが創って行く別天地)
五.意中人有り
    (私淑できる人物を、或いは理想的人物を心の中に持っている)
六.腹中書有り
    (断片的知識でなく、しっかりした哲学を腹の底に納めている)

 

「七 養」
一.時令(季節)に順(したご)うて以て元気を養う。
二.思慮を少うして以て心気を養う。
三.言語を省いて以て神気を養う。
四.肉慾を寡(すくの)うして以て腎気を養う。
五.嗔怒(いかり)を戒めて以て肝気を養う。
六.滋味を薄うして以て胃気を養う。
七.多くの史を読みて以て胆気を養う。

 

「八 変」
自分が変われば相手が変わる。
相手が変われば心が変わる。
心が変われば言葉が変わる。
言葉が変われば態度が変わる。
態度が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば運が変わる。
運が変われば人生が変わる

 

 最後に、読書についての一言を紹介しましょう。


「読書して疲れるようではまだ本物でない。疲れた時読書して救われるようにならねばならぬ」という言葉です。わたしは、こんな凄い読書論にふれたことがありません。ぜひ、疲れた時にこそ本書を読んでいただきたいと思います。


 なお、本書は『面白いぞ人間学』(致知出版社)でも取り上げています。