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立志の経営』

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No.0845

 

 『立志の経営』中條高德著(致知出版社)を再読しました。

 『おじいちゃん、戦争のことを教えて』、『子々孫々に語りつぎたい日本の歴史』といった憂国の書の著者による、経営論です。

 

 著者はアサヒビール名誉顧問で、かの「アサヒスーパードライ」を日本のトップブランドに育て上げた人として知られます。一時は破滅するかもしれないと思われていたアサヒビールが奇跡の復活を遂げたのはなぜか。その秘密は「志」にありました。ノーベル賞ものの開発をしたわけでもなく、その手法なり、作戦というものは、どの企業でも理解されていることであり、研究されていると著者は言います。しかし、著者たちはそれを、失敗したら倒産するという追いつめられた立場にあっただけに、神にも祈るような気持ちで、精魂こめて忠実に、より奥行き深く実行したにすぎないというのです。

 

 しかし、「窮すれば通ず」という言葉がありますが、半面、窮したが故に崩れてゆく人や企業も少なくない現実を考えると、その違いは「志」と深い関わりがあることに気づきました。人間、絶壁に立たされた時、すなわち、窮地に追い込まれた時には、それをあたかも「ピンチはチャンス」と解釈して、捨て身で突進する強靭な「志」と、もう駄目だと落ち込んでゆく心の脆弱さが勝敗のわかれ道なのです。

 

 明治維新は日本の近代化へのすさまじい生まれ変わりですが、それを実現したのは、命の危険にさらされながらも「いや、国のためだ」という志士たちの「志」でした。著者は、アサヒビールの生まれ変わり作戦を展開し、成功させることによって、「志」こそが物事を成就させる源泉であることを、改めてわたしたちに証明してくれたのです。