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ローマの名言一日一言』

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No.0828

 

 『ローマの名言一日一言』渡部昇一編(致知出版社)を再読しました。

 「現代の賢人」と呼ばれる渡部昇一氏が古代ローマの賢者の言葉を集めた名言集です。「古の英知に心を磨く」というサブタイトルがついています。

 

 渡部氏は「まえがき」の冒頭に、「古代シナと古代ローマぐらい名文句を多く残した文明はないであろう」と書いています。中国の四書五経(『論語』『大学』『中庸』『孟子』の四書と『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の五経)は名文句に満ちていますが、同じようにローマにも諺、格言、金言となるような名文句が多く残されています。

 

 渡部氏も愛用されているという『ギリシャ・ラテン引用語辞典』田中秀央・落合太郎編著(岩波書店)の最新版にはラテン語の名文句が931ページも掲載されています。この中にはギリシャから入ったものはもちろん、中世以後のものにありますが、大部分は古代ローマ人が生んだ名文句です。渡部氏は「古代に大文明をつくった民族はやはり賢かったに違いない。特に古代シナも古代ローマも弁説や修辞を重じた文明であったから、名文句が残されて当然である」と述べています。

 

 それでは、わたしの心に残った名言を以下に紹介したいと思います。なお、名言に先立って、編者によるタイトルも付しておきます。

 

歴史の教訓
「結果は愚人どもの師」
(ローマの歴史家リヴィウスの言葉)

 

信じるものとともに
「私はそれらの人々と共に真理を考えるより、汝がいかに重んじるかを私の知るプラトンと共に過つことを断然欲す」
(キケロの言葉)

 

習慣が人間をつくる
「習慣によって第二の天性がつくられる」
(キケロの言葉)

 

すべて同一の神
「それを自然、宿命、運と呼べ、これらはすべて同一の神の名である」
(セネカの言葉)

 

助け合い
「手は手を摩擦し、手は手を洗う」
(セネカの言葉)

 

病気を反省の糧とする
「病気のとき、精神は自省する」
(博物学者プリニウスの言葉)

 

短気は損気
「怒りは短き狂気である」
(ホラティウスの言葉)

 

人材登用の原則
「よりよき者に場所を与えよ」
(テレンティウスの言葉)

 

ローマ人とキリスト教
「荒唐無稽なるが故に私はそれを信じる」
(アウグスティヌスの言葉)

 

損して得取れ
「些細なる損害が大きな利益になる」
(オヴィディウスの言葉)

 

風習を重んじる
「各地にはその風習がある」
(カエサルの言葉)

 

毎日が最後の日
「各々の日を最後の日の夜明けだと信ぜよ」
(ホラティウスの言葉)

 

 発言者が明確な言葉以外にも、多くの名言が紹介されています。たとえば、「知は力なり」「禍を受けたのちに愚者は賢くなる」「教養のある人は常に自分自身の中に富を持っている」「雄弁家はつくられ、詩人は生まれる」「戦争はすべての父」「二兎を追う者はいずれも取れず」「ゆっくり急げ」など。これらの言葉はそのまま諺になっているほど、後世に影響を与えました。古代ローマが西洋文明の源流である所以ですね。

 

 さらには、「死を想え」「人の生命は短し、されど高潔なる死は不滅である」「何ものも死より確かなものはなく、死より不確かなものもなし」「死を求める人は哀れである、しかし死を恐れる人はもっと哀れである」「恥ずべき生より正しき死を選ぶ」「終末が仕事に冠す」「祭壇まで」など、死にまつわる言葉が多いのも古代ローマの名言の特徴です。「死」を直視した時代だったのかもしれません。