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大人の「男と女」のつきあい方』

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No.0790

 

 『大人の「男と女」のつきあい方』川北義則著(中経の文庫)を読みました。

 1935年に大阪で生まれた著者は、慶応義塾大学経済学部を卒業後、東京スポーツ新聞社に入社、そこで文化部長、出版部長を歴任しました。77年に退職後は出版プロデューサーおよび生活評論家として活躍しており、「人生を豊かに愉しく生きる」ことに主眼を置いた多くの著書があります。

 

 本書には「艶のある男の色気の磨き方」というサブタイトルがついており、表紙カバーには「浮気、未練、別れ、不倫・・・・・いつまでも恋を楽しむ男は仕事も人生もうまくいく!」と書かれています。また、カバーの裏には次のような内容紹介があります。

 

 「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性とつきあうことによって人間は磨かれる。しかし実際は、ほんの火遊びのつもりだった関係が修羅場に発展してしまったり、恋から縁遠くなってしまったりといった、お粗末な例も多い。成熟した大人の男と女が、品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を紹介する」

 

 本書の目次構成は、次のようになっています。

 

「まえがき」
第1章  大人の男の条件―作法
第2章  「男心」と「女心」はこういうもの―心理
第3章  その瞬間、恋が始まる―恋愛
第4章  照れずに少し触れてみる―性
第5章  「結婚」という名の大舞台で―結婚
第6章  20年連れ添ってわかること―夫婦

 

 「まえがき」の冒頭で、著者は次のように述べます。

 

 「大げさにいえば、人類の半分ずつが男と女である。
 それなのに男は男同士、また女も同様に女性だけでかたまっている。そうではなく、もっと異性との交流を盛んにしたほうが、バラエティーに富んだ人生を送れるのではないだろうか」

 

 また、「まえがき」の最後は次のように書かれています。

 

 「『なぜ女は、そんな昔のことをよく覚えていて、いま頃になって持ち出すのか?』――こんな女の心理が男にはわからない。
 どうやら、男と女の心理構造、あるいは脳の回路の違いにあるようだが、こんな男女の性差が、右脳と左脳をつなぐ脳梁というところにあるのではないかという説がある。男と比べて女のほうが、脳梁が太いそうなのだ。いずれにしても、男と女の違いは永遠に謎なのだろう。だがしかし、男と女はできるだけお互いに接近したほうがいい。それが、本書を書いた理由でもある」

 

 本書には、男と女に関する多くの名言が散りばめられており、それらを拾い読みするだけでも結構楽しめます。例えば、次のような名言です。

 

 「男が本当に好きなものは2つ。危険と遊びである。そしてまた、男は女を愛するが、それは遊びのなかでもっとも危険なものでもあるからだ」(ニーチェ)

 

 「恋愛が与えうる最大の幸福は、愛する人の手をはじめて握ることである」(スタンダール)

 

 「好きな男のもっとも曖昧な言葉でさえ、好きでもない男の明白な愛の言葉よりも心をかき立てられるものである」(ラファイエット夫人)

 

 「恋愛はポタージュのようなもの。はじめの数口は熱すぎ、最後の数口は冷めすぎている」(ジャンヌ・モロー)

 

 本書に収められている項目のタイトルは「傷つくことを恐れていたら、恋などできない」、「男と女には『知らなくてもいいこと』がある」、「味覚が同じ男女は必ずうまくいく」、「『愛の一方通行』はどこかで破綻する」などなど、それぞれが1つのメッセージになっているのですが、そんな中に「男は自分の見た目など気にするな」という項目があり、著者は次のように書いています。

 

 「誰もが認める美人に『ハンサムな男とマメで面白い男、どっちをとるか』と尋ねたら、90%以上の美女は『マメで面白い男』と答える、と私は思う。『いわゆるいい男は、一緒にいると疲れるんです。男の美しさに合わせて身のこなしや言葉遣いに気を使うのは面倒くさい』」

 

 その女性は、著者が生涯で出会った中で、間違いなくベストスリーに入る美人だったそうですが、彼女は次のようにも言ったそうです。

 

 「それに、いい男はすぐに飽きる。努力もせずに、何となく女性とうまくやって生きてきたから、サービス精神に欠けるし、会話にも面白みがない。多少、ブサイクでも、知的でジョークのセンスが上質で、ウイットに富んだ会話のできる男のうほうがいい。そういう男は飽きない」

 

 また、次のくだりなどは非常に興味深く読みました。

 

 「『芸能界でいちばんモテる男優さんは誰ですか?』
 かなり以前の話で恐縮だが、ベテランのある大物女優に尋ねたことがある。そのとき、驚くべき答が返ってきた。
 『いちばんかどうかはともかく、左とん平さんなんか、モテるわねえ』
 左とん平さんには大変失礼な話だが、その答えを聞いた瞬間、私は思わず笑ってしまった。だが、その女優さんは大真面目だった。
 『女優ってのは、人前ではいつもお行儀よくしていなくちゃいけないの。相手が二枚目だと、お互い疲れるのよ。男くらい、おしゃべりが上手で面白くて、肩の凝らない人のほうがいいわ』
 現に、いまでも女性タレントとお笑い芸人のカップルは増えている」

 

 左とん平さんといえば、息子さんがわたしの大学の同級生でした。彼は早稲田大学高等学院からの進学組でしたが、かなりのイケメンだったことを記憶しています。現在、どうしているのでしょうか?

 

 本書には、いわゆる酒場の話のネタになりそうな面白いエピソードが満載で、「江戸時代から変わらない性の真理」には次のように書かれています。

 

 「『結婚三回説』という考え方がある。
 年齢は別に正確でなくてもいいが、男女を問わず、20歳のときに40歳の異性と結婚して20年後の40歳で離婚、40歳のときに同年代の異性と結婚、その20年後の60歳で20歳の異性と結婚して80歳で天寿を全うする。このサイクルの夫婦生活がもっとも幸福であるという考え方だ」

 

 著者は、この結婚三回説を「男女間のセックスを最優先に考えたもの」であるとして、次のように述べます。

 

 「まず1回目の結婚。20歳のときに性を熟知した年上の異性から手ほどきを受け、性の愉しみ方を習得する。
 同年代の異性との2回目の結婚では、性を熟知した者同士で暮らす。
 20歳の異性との3回目の結婚では、未開の若くてみずみずしい肉体を堪能しながら相手の性を開花させ、一人前の異性として育て上げる―」

 

 アマゾンに出ている本書のレビューには「男性向けですが、20代後半、未婚女が読んでみました。全体的に不倫を肯定し、不倫のノウハウを披露している内容として捉えられました。ちょっと意見が一方的すぎるので、女性の私からすると読んで不快になる本でした」といった意見もありましたが、著者はけっして男尊女卑の人ではありません。例えば、「男の器量がわかる子連れ女性との結婚」という項目には、次のように書かれています。

 

 「『女の過去をとやかくいう前に、だったら、アンタの過去はどうなんだ!』
 私は世に蔓延する男女平等論に対しては、異議ありの立場にいるが、この件に関してはそういいたい。自分は過去にいろいろな女性とよろしくやっておいて、いざ、自分が結婚するとなると、相手にだけ自供を求めるのはみっともない。
 『あなたがはじめてよ』とでもいわせたいのだろうか。
 そんな男が多いなかで、子連れの女性と結婚する男性は肝っ玉が据わっている。やはり、男にとって愛した女性の『男性体験』と『出産体験』では意味が違うと思う。子連れとなれば、結婚生活もスタートから違う。それを承知で結婚するには、男の度量の大きさが求められる。女性の過去を『丸ごと』受け入れてしまうのだから、それだけで賞賛に値する」

 

 わたしの周囲にも、子どもがいる女性との結婚を真剣に考えている男性が1人います。わたしは彼の結婚を全面的に応援していますし、1日も早く彼女と結婚して、みんなから祝福されることを楽しみにしています。結婚式は、もちろん松柏園ホテルで!

 

 最後に収められた「旅立ちの流儀、残り方の礼儀」という項目は人生のラストステージに関するもので、共感しました。著者は、次のように述べています。

 

 「好き合った男女が結婚して、子どもをつくり、離婚もしないで長年寄り添って生活していても、いつかは必ず別れがくる。人間、生まれてきたときも1人なら死ぬときも1人。だが、そんなとき相手にみとってもらって死へと旅立つのが、やはり最高の幸せではないだろうか。
 人生、いつ別れがくるかはわからない。先立つ側は、残る人間の悲しみや嘆きを決して喜びはしない。最愛のパートナーとは、いまのうちから別れ方、残り方の流儀を決めておいたほうがいいのかもしれない」