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伝記に学ぶ人間学』

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No.0792

 

 『伝記に学ぶ人間学』小島直記著(致知出版社)を再読しました。

 伝記文学の第一人者である著者が、古今東西の伝記上の人物や古典を通して「人間いかに生くべきか」を説いた本で、処世訓と先哲の教えが豊富に紹介されています。

 

 リンカーンは、「四十以上の男は、その顔に責任がある」と言いました。これは美男子気取りの者の顔や、化粧品でいう美顔術といたものの対象の顔ではありません。40歳以上の男の、その顔に責任があるという顔は、それまでの人生の風雪をくぐり抜け、真剣勝負によって鍛え抜かれた心が自分の顔に刻みつけた作品なのです。したがって、勝負をした経験のある人間は、どこか鋭いものがありますね。

 

 著者は言います。日本の官僚で威張った連中のほとんどはパーである。なぜなら、そういう強さがないからだ。ボワボワッとして、しわだらけで、薬ばかり飲もうとして、だいたい話すことが低劣であるという。昔の栄光だけ言って、バーに行ったら威張る。しかも「最後の勘定は現役に」というようなことばかり考えているから、目が落ち着かない。キョロキョロしている。何か古典を読んで、たとえばプラトンを読み直して、日本の前途を考えているというような深々と澄んだ目をしている人間は一人としていない。リンカーンの言ったのは、そこだというのです。

 

 本書には、こんな洒脱で楽しいエピソードが満載です。また、ツヴァイクの『ジョゼフ・フーシェ』『プルターク英雄伝』、日本の財界人たちの伝記など、おすすめ本を具体的に紹介しているので、今後の読書の参考にも非常に役立ちます。

 

 なお、本書は『面白いぞ人間学』(致知出版社)でも取り上げています。