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ミャンマーで尼になりました』

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No.0763

 

 『ミャンマーで尼になりました』天野和公著(イースト・プレス)を読みました。

 ミャンマーで実際に仏教修行した女性による4コマ漫画です。

 カバーにはパゴダを背景に微笑む著書のイラストが描かれています。  

 帯には「仏教に恋こがれ 女ひとりでミャンマーへ!」というキャッチコピーに続いて、「そこで手に入れたのはブッダが教えてくれた『幸せに生きる』ためのヒント。心が洗われる尼さん修行コミックエッセイ」と書かれています。

 また帯の裏にも、「異国の地で悩んだり、迷ったり。でも、大事なことにたくさん気づいた! 素敵な人にたくさん出会った!」と書かれています。

 

 著者は青森県十和田市生まれ、東北大文学部(宗教学)卒。仙台市内の葬儀社で勤務したこともそうですが、現在は宗教法人「みんなの寺」の坊守(自称・寺嫁)をされています。「みんなの寺」は浄土真宗の単立寺院で、住職は著者の夫である天野雅亮さん。天野夫妻ともに実家はお寺ではないにもかかわらず、檀家、コネ、スポンサー、土地建物など、すべてありませんでした。それでも、四苦八苦の末に寺院を立ち上げられたのです。その情熱と行動力には感服します。

 

 ご主人から著者へのプロポーズの言葉は、「一緒に、お寺をつくらない?」だったそうです。結婚後、著者はミャンマーへ単身修行に行きます。

 ミャンマーといえば、国民の90%が仏教徒の国です。著者は、そこで生涯の師と出会い、「ありのままを受け入れる」ことの大切さを知ります。そして、ブッダが教えてくれた「幸せに生きる」ためのヒントに想いを馳せます。

 

 本書の「あとがき」には、次のように書かれています。

 

 「ブッダは『生きる苦しみ』を正しく見つめ、それを乗り越える道を示された方です。老いて、病んで、死ぬ苦しみ。何ひとつ思い通りにならない苦しみ。それらは決して出家者だけのものでも、瞑想者だけのものでもありません。時代も、国も、年齢も、性別も職業も超えて、全てのひとが持っている苦しみです。いいえ、『この私』が持っている苦しみです。どこにいても。何をしていても」

 

 著者いわく、だからこそブッダの教えはいつだって、わたしたちにこう語りかけるといいます。「『いま・ここ・私』を抜きにして、学びも修行もないんだよ」、そして「そのままの自分を見て、まるごと抱えて、そこからしか進めないんだよ」と。

 著者はそれまで漫画などまともに描いたことがなかったそうですが、なかなか味のあるタッチで、ほのぼのとした絵柄とストーリーから、ミャンマー仏教の姿が親しみをもって伝ってきます。また、主人公の修行はなかなか思うように進まないのですが、その悩む気持ちがよく描けていて、とても共感できました。女性ならば、もっと共感できるのではないでしょうか。

 

 ちなみに、著者には『みんなの寺 絵日記 「夫婦でお寺をはじめたよ」の巻』(サンガ)、『みんなの寺のつくり方』(雷鳥社)、『ブッダの娘たちへ~幸せを呼びさます「気づき」の仏教』 (春秋社)などの著書もあります。