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Title

読書会』

Category

No.0713

 

 『読書会』山田正紀&恩田陸著(徳間文庫)を読みました。

 帯には「プロ作家によるブックガイド・トーク」「二人の人気作家初めての対談集」「テーマは名作エンタメ小説!」「山田さんなら、恩田さんなら、どう書きます」といったコピーが書かれています。カバーの裏表紙には、次のような内容説明があります。


 「山田正紀と恩田陸。多ジャンルで活躍する二人の人気作家が、名作エンターテインメント小説を読みまくり、語りまくる。題材は、半村良、アシモフ、小松左京、S・キングなど。自分だったらこのテーマをどう描くか、という実作者ならではの議論も白熱。後半ではついに、それぞれの自作、『神狩り』、"常野物語"シリーズも俎上に・・・・・。読書家必読の、プロ作家によるブックガイド対談集」


 本書の「目次」は、以下のようになっています。


まえがき―恩田陸
半村良『石の血脈』『岬一郎の抵抗』
I・アシモフ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』
時間を超える小説を求めて
アーシュラ・K・ル・グィン《ゲド戦記》
沼正三『家畜人ヤプー』
小松左京『果てしなき流れの果に』
山田正紀『神狩り』 ゲスト:笠井潔
S・キング『呪われた町』『ファイアスターター
萩尾望都『バルバラ異界』
『原点』との邂逅 特別対談:萩尾望都&恩田陸
恩田陸《常野物語》 ゲスト:笠井潔
打ち上げ大放談SPECIAL
あとがき―山田正紀
解説―大森望


 本書の中で山田正紀氏が小松左京の『果てしなき流れの果に』を題材にしてSFについて語る言葉に感銘を受けました。たとえば、以下のような言葉です。


 「深遠な思想をオブジェにしちゃうというのは、SFの醍醐味のひとつですね」


 「SFですごいのは、人が生きるとか死ぬとかなど、宇宙のなかではなんの意味もないという感覚じゃないですか。自分の存在とはかかわりなく、星だけが輝きつづける。これはすごくロマンティックでしょう」

 

 また、山田氏の新作である『神狩り2 リッパー』の話題に触れながら、恩田氏がストーリーについて語る以下の部分が印象的でした。


 「私は、『神』は『ストーリー』と言い換え可能だと思っているんです。たとえば、韓国映画と日本映画の大きな違いは、ストーリーに対する信頼性の有無じゃないでしょうか。日本で作っている人は、ストーリーでなにかが語れるという思いを喪失している。それに対して、韓国ではストーリーへの信頼が残っているんです。それに対する憧れが、韓国ブームなのじゃないか。『神狩り2』では、ストーリーを信じていない時代に、どう展開するのか。それが楽しみですね」

 

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   SFを無性に読みたくなりました

 


 本書を読んで、わたしはスケールの大きな物語としてのSFを無性に読みたくなりました。本書にも登場する小松左京の『果てしなき流れの果に』、光瀬龍の『百億の昼と千億の夜』、山田正紀の『神狩り』はすでに昔読みましたが、もう一回読み返してみたいです。今は時間がありませんし、読むべき本も山のように控えています。でも、いつか時間ができたら、ぜひ再読したいです。


 そのときは、『神狩り2 リッパー』『ミステリ・オペラ』『マヂック・オペラ』『ファイナル・オペラ』といった未読の山田作品も併せて読みたいと思います。小学生の頃のわたしは『エスエフ世界の名作』全26巻を読破するほどのSF少年でした。そのときの熱い想いが胸の奥に甦ってきたような気がします。