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図書館の主(1・2巻)』

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No.0667

 

 『図書館の主』(1・2巻)篠原ウミハル著(芳文社)を読みました。

 

 いま、コミックの世界では「図書館コミック」というジャンルが生まれつつあります。その代表作ともいえる名作が本書です。


 ある私立の児童図書館に勤める名物司書・御子柴の物語です。彼は地味なメガネをかけた無愛想な男ですが、仕事は一流です。図書館を舞台に「児童書のソムリエ」が活躍します。

 

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   「児童書のソムリエ」の物語

 


 この漫画には、「うた時計」「宝島」「幸福の王子」「少年探偵団」「ニルスのふしぎな旅」「貝の火」「クリスマス・キャロル」などの児童書が続々と登場します。どれもが子どもの頃に夢中になって読んだ本ばかりで、とても懐かしかったです。

 

 子どもの頃、本は魔法のじゅうたんでした。本を開けば、どんな場所にだって、どんな時代にだって、自由自在に飛んでいけました。本書には翔太という少年が登場します。最初は本などに興味を示さなかった翔太ですが、御子柴のすすめで『宝島』を読み始めます。その面白さのとりこになった彼が「なんか全部読んでしまうのがもったいねーんだよなー」と言う場面があります。その言葉、涙が出るほど、よくわかりますね。でも、御子柴は「安心しろ」とひとこと言います。そして、「『宝島』を読み終わったら、また新しい本を借りに来ればいい。ここには、こんなにお前を待ってる本があるんだ」と言うのです。いやあ、素晴らしいセリフですね。


 本書の主人公である御子柴は「児童書のソムリエ」ですが、じつはわたしも「本のソムリエ」と呼ばれることがあります。というのも、新聞や雑誌で「ハートフル・ブックス」および「一条真也の読書塾」といった読書案内を連載しているからです。

 

 これまで、じつに多種多様な本を毎月紹介してきました。時々、北九州の飲食店をはじめ、理髪店とか立体駐車場などに行くと、「この前紹介されていた本を読みました。とても面白かったです!」などと言われることがあるのですが、本当に嬉しいですね。その方の心の養分をプレゼントしたような気分になってきます。


 もちろん、わたしが紹介する本の中には児童書も含まれています。

 

 児童書といえば「童話」が思い浮かびますが、わたしには『涙は世界で一番小さな海』(三五館)という著書があります。この本では、アンデルセンの「人魚姫」「マッチ売りの少女」、メーテルリンクの「青い鳥」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、そしてサン=テグジュぺリの「星の王子さま」といった童話の読み方について書きました。

 

 まだ読まれていない方は、どうぞ御一読下さい。