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夜明けの図書館』

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No.0668

 

 『夜明けの図書館』埜納タオ著(双葉社)を読みました。

 

 いま、コミックの世界では「図書館コミック」というジャンルが生まれつつあります。その代表作ともいえる名作が本書です。


 帯には「その疑問、新米司書がお手伝いします。」と大きく書かれ、続いて「利用者の調べものをサポートする『レファレンス・サービス』。難問・奇問の裏に隠された真実とは・・・!?」とあります。

 そう、本書は市立図書館で働く新米司書・ひなこの物語です。日々、ひなこは利用者からはいろんな質問を投げかけられます。

 

 それも、「ある写真を探している」「光る影の正体が知りたい」などの難問ばかりでした。こうした疑問に対し、適切な資料を紹介するのも図書館員の仕事なのです。ひなこは、迷宮入りしそうな利用者の疑問に敢然と立ち向かっていくのでした。まさに、新感覚の「ライブラリー・コミック」の誕生と言えるでしょう。


 本書には、次の4つのエピソードが収められています。

 

 第1話「記憶の町・わたしの町」

 第2話「父の恋文(ラブレター)」

 第3話「虹色のひかり・・・」

 第4話「今も昔も・・・」


 いずれのエピソードも、読者の知的好奇心を刺激し、最後はじんわりと感動させてくれるハート・ウォーミングな話ばかりです。そして、そこには少しのヒントでも見逃さずに、なんとか利用者の力になりたいという主人公ひなこのプロ根性があります。

 

 わたしは、ひなこの情熱に「ホスピタリティ」を強く感じました。そう、ホスピタリティとはけっしてホテルや飲食業だけのものではありません。お客様のいる仕事なら、どんな仕事にだって求められるものなのです。若い女性をはじめ、いろんな仕事に就いている人がいるでしょうが、本書を読めばきっと自分の仕事に前向きになれるのではないでしょうか。


 本書のアマゾン・レビューの中に、こんな意見がありました。

 

 「こんなに一生懸命になって、本を探してくれる司書がいたら、本を探してもらった人は、どんなにうれしいと思うだろう・・・。この作者さんの描き出す繊細な絵も、紡ぎだす言葉も、一つ一つの人生も、どれもが美しく、この本が好きになりました。『図書館に行きたいな』そう思ってしまう、暖かい物語でした」

 

 わたしも、このレビュアーの方にまったく同感です。こんなに読後爽やかな気分になったコミックは久しぶりです。著者には、ぜひ続編を書いていただきたいと思います。