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Title

夢違』

Category

No.0569

 

 『夢違』恩田陸著(角川書店)を読みました。

 

 著者の本を読んだのは、『月の裏側』以来です。『月の裏側』と同様に、SFの香りが強く漂うホラー・サスペンスです。


 帯には、「世界は、これまでとは違う世界になってしまった。」との一文があります。なんだか、村上春樹の『1Q84』を連想させるコピーですね。また、「圧倒的筆力に、賞賛の嵐!」と大書され、以下の人々のコメントが掲載されています。

 

 「著者最高傑作の登場」(千街晶之)

 「異世界を現出させる凄腕ぶりに拍手」(香山二三郎)

 「科学と幻想と伝奇、独創的サスペンス」(大森望)

 「現代怪談文芸の金字塔」(東雅夫)


 帯の裏には、以下のような「内容紹介」が書かれています。

 

 「夢を映像として記録し、デジタル化した『夢札』。夢を解析する『夢判断』を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか? そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの『夢札』を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは―。人は何処まで"視る"ことができるのか? 物語の地平を変える、恩田陸の新境地!」


 読み終えて、なんだか、子どもの頃に読んだSFジュブナイルの大人版みたいな印象でした。500ページ近くもある大作なのですが、軽い読み物ふうで一気に飛行機の中で読めました。それぞれのコメンテーターが絶賛の声を寄せていますが、わたしとしては、たしかに面白かったのですが、「そんなに傑作かなあ?」というのが正直な感想です。

 

 でも、「夢」という摩訶不思議なものを視覚化して文章化したことは前例があまりないように思います。あえて言えば、夏目漱石の『夢十夜』以来でしょうか。


 「夢」の持つ得体の知れない恐怖、異様な迫力、そして不条理さ・・・・・それらを読者に対して視覚的に説明したことは評価できると思いました。

 

 本書を読みながら、レオナルド・ディカプリオが主演した映画「インセプション」を何度も連想しました。「夢」をテーマにした映画で、本書の内容とちょっと似ています。