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掃除に学んだ人生の法則』

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No.0378

 

 『掃除に学んだ人生の法則』鍵山秀三郎著(致知出版社)を再読しました。

 

 掃除という日常の営みから、ここまで高邁な哲学が生まれてくる。そのことに、わたしは静かな感動をおぼえました。

 

 冒頭に「十年偉大なり。二十年畏るべし。三十年にして歴史なる。」という古人の言葉が出てきます。どんな些細な小さなことでも十年も心を込めて続けるということは「偉大」なことです。それにもう十年加えて二十年それを続けたとしたら、それは「おそるべき力」になります。さらにもう十年続けて三十年に至れば「歴史ともいえる力」になるのです。


 著者の掃除人生は、まさにこの言葉通りのものでした。


 些細なこと、何の見返りも求めずにやり続けることは、確かに至難なことです。


 しかし、その至難なことをやり遂げたとき、初めて「歴史となる」のです。ましてや、著者はそれからさらに十年を重ね、実に四十年以上もそれを続けているのです。


 「続けるということが、いかに偉大な力を持っているかということを、私は心底実感しています。」という言葉には、それが実践者の言葉ゆえ、絶対的な説得力があります。


 著者は戦時中の学童疎開で、目を悪くしたそうです。栄養失調で視力をほとんど失い、以後は度の強いメガネをかけなければならない生活を余儀なくされたというのです。


 そのことを本書で知ったわたしは、瞬間的に「あっ!」と思いました。


 日々トイレ掃除を続けてきた著者は、きっと目が悪いゆえに顔を近づけてきたのでしょう。いくら汚れた便器であっても、おそらく鼻先まで近づけて、悪臭をものともせずに素手で掃除してきたのです。このことに、ようやく気づきました。


 わたしは、著者の本を読むたびに尊敬の念を深めています。


 本書を読み、それがさらに深まった思いです。いや、参りました!