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日本精神の研究』

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No.0204

 

 日本精神の研究』安岡正篤著(致知出版社)を読みました。

 

 本書は、若き安岡正篤が心の糧となり、魂の養分となった先哲たちを論じることによって、「日本精神とは何か」を浮き彫りにした力作です。

 

 山鹿素行、吉田松陰、高杉東行(晋作)、高橋泥舟、楠木正成、大塩中斎、西郷南洲、宮本武蔵といった錚々たる豪華メンバーに安岡青年が真剣勝負を挑む「魂の八番勝負」であると言えるでしょう。


 安岡正篤は、第一高等学校から東京帝国大学を卒業するまで、最も熱烈な精神的欲求から捨て身になって読書思索に没入したといいます。そのときに耽読したのは、トルストイ、ニーチェ、ダンテ、ドストエフスキー、ワイルド、マルクス、セネカ、モンテーニュ、パスカル、アミエルらの著作でした。

 

 しかし、どうも不満や焦燥感に駆られて、心を満たされるまでにいきませんでした。そして、いつしか少年時代から親しんだ自分の内心に強く響き、魂を揺り動かすような東洋先哲の書に返っていきました。

 

 幅広い読書と奥深い思索の結果、東洋先哲の学問の所産は安岡正篤の体内に蓄積され、そこから数多くの彼の名著が生まれたのです。


 本書に取り上げられている素行、松陰、中斎、南洲らはいずれも日本を代表する陽明学の徒です。彼らの思想を正面から立ち向かうことによって、安岡正篤は彼らの大いなる精神の山脈の中に位置することを広く示したのです。

 

 わたしは、本書を読んで、内村鑑三の『代表的日本人』や新渡戸稲造の『武士道』を連想しました。日本人の「こころ」を知るために、この二作同様、世界中の人々に本書を読んでもらいたいと思います。

 

 まだ本書を読まれていない方は、ぜひ、お読み下さい。