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易と人生哲学』

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No.0210

 

 『易と人生哲学』安岡正篤著(致知出版社)を再読しました。

 

 安岡正篤は、非常に変化の激しい時代を生き抜くために「易」というものを重視していました。いわゆる俗的な解釈とは違って、易とは変化の理法を説く学問であり、人間世界の偉大な統計的研究に他ならないと強調したのです。


 『論語』には、「五十をもって易を学べば、またもって大過なかるべし」という孔子の言葉が出てきます。50歳になると誰でも人生というものを考えます。

 

 よほどの横着者か、馬鹿でない限り、何か考えます。「俺はこれでいいんだろうか、こんなことで俺の人生というものは一体どういう意義があり、価値があるのか」と考えない者はいないはずです。

 

 あの孔子ほどの偉大な哲人、聖人が「50歳で易を学ぶ」と発言していることは教えられるところ大ではないか。そう、安岡正篤は言うのです。


 中国には、千数百年にわたる天地自然と人間世界の相関をまとめあげた『易経』があります。その難解さゆえに広く読まれなかった思想ですが、碩学である安岡正篤が分かりやすく解説するとともに、その深遠な哲理を説き、変転きわまりない不透明な現代をいかに生きるかという指針を示してくれます。

 

 わたしが本書を読んで特に感心したのは、「易」という一種の神秘を語りながら、一貫して迷信に陥ることを戒めている点です。

 

 たとえば、「丙午(ひのえうま)の年に生まれた女は、男を食い殺す」などの迷信による弊害たるや測り知れないと嘆きます。

 

 また、「大安の日を選んで婚礼」なども陰陽思想の誤解であって、何の根拠もないと断言するところなど、まことに気持ちが良いですね。

 

 易とは、あくまでも統計的研究であって、オカルトではないのです。

 

 まだ本書を読まれていない方は、ぜひ、お読み下さい。