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経営者の条件』

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No.0160

 

 経営者の条件』P・F・ドラッカー著、上田惇生訳(ダイヤモンド社)を再読しました。

 

 1966年に刊行され、1995年に「ドラッカー選書」の1冊として日本版新訳が出ており、わたしはこれを読みました。ただし、現在では2006年に「ドラッカー名著集」の1冊としてさらに新版が出ています。


 世界最初の経営書『現代の経営』の内容をさらに具体的にした本です。とにかく「成果をあげる」ことの重要性を訴え、そのための方法論を提示しています。

 

 普通のマネジメントの本は、人をマネジメントする方法について書いています。しかし本書は、業績をあげるために自らをマネジメントする方法について書かれているのです。他の人間をマネジメントできるなどということは、証明されていません。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能であると、ドラッカーは述べます。


 本書の冒頭には「エグゼクティブ、すなわち物事を成すべき地位にある者の仕事は、成果をあげることである」という言葉があります。ドラッカーは長年、いろいろな組織のエグゼクティブと働いてきましたが、いまだかつて1人として、天性のエグゼクティブ、生まれつき成果をあげるようなエグゼクティブに出会ったことはないといいます。

 

 成果をあげるよう努める者はみな、成果をあげる力をつけてきています。そして彼らのすべてが、日常の実践によって、成果をあげることを習慣にしてしまっているのです。他の人間の仕事ぶりに責任をもつ経営管理者であろうと、主に自分の仕事にだけに責任をもつ独立したスペシャリストであろうと、成果をあげることに対して、報酬を支払われることに変わりはありません。成果をあげないならば、いかに多くの知力と知識を使い、いかに多くの時間を使おうとも、業績とはならないのです。


 19世紀には、肉体労働者は経済的な目的だけを持ち、経済的な報酬だけで満足すると信じられていました。しかしそのような考えは、賃金が最低生活水準を超えた瞬間、もはや事実ではなくなりました。

 

 知識労働者も経済的な報酬は要求しますし、報酬の不足は問題です。しかし、報酬の存在だけでは十分ではありません。機会、達成、自己実現、価値を必要とするのです。知識労働者は、自らを成果をあげるエグゼクティブにすることによってのみ、それらの満足を得るのです。

 

 エグゼクティブの成果をあげる能力によってのみ、現代社会は、2つのニーズ、すなわち個人からの貢献を得るという組織のニーズと、自らの目的の達成のための道具として組織を使うという個人のニーズを調和させることができます。したがって、まさにエグゼクティブは、成果をあげる能力を習得しなければならないのです。

 

 本書は経営者にとっての修身の書であり、万人のための帝王学としてのマネジメントの教科書であると言えるでしょう。

 

 まだ読まれていない方は、ぜひ、お読み下さい。