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クオリティ・リーディング』

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 No.0009

 

 『〇〇読書法』『△△読書術』『××リーディング』など、多くの関連書が刊行されていますが、特におススメが、『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』(創元社)です。

 著者は、三輪裕範氏。伊藤忠商事の調査情報部長さんです。

 伊藤忠といえば、丹羽宇一郎会長が「顔」として有名ですが、三輪氏はその丹羽会長の懐刀です。

 また、現役ビジネスマンとして活躍しながら、何冊もの本を書かれています。『週刊東洋経済』2008年6月21日号で、「最強の読書術」という特集が組まれました。そこで6人の人物が「読書の達人」として紹介されました。

 その6人とは、池田信夫氏、齋藤孝氏、佐藤優氏、本田直之氏、勝間和代氏、そして三輪裕範氏でした。読書家としての三輪氏がいかに凄いか、よくわかる顔ぶれですね。

 興味深いのは、「1カ月の読書量」についての質問に、三輪氏は「8~10冊」と答えましたが、他の5人は「50冊~100冊」と答えたことです。1桁違いますね。

 そう、三輪氏の読書は、「量」より「質」なのです。今はやりの「質より量」を求める、読書量重視の読み方を「クオンティティ・リーディング(quantity reading)」と三輪氏は呼びます。

 そして、自らは読書自体の「質」をより重視し、むしろ読書における非効率をよしとする「クオリティ・リーディング(quality reading)」という読書スタイルを取るのです。

 わたしは、『あらゆる本が面白く読める方法』(三五館)という本を出しましたが、そこでは速読と遅読、多読と精読の両方を使い分ける読書術を提示しています。提示というか、わたし自身がそのように読んできたというだけなのですが。

 わたしは、最近の「金儲け」に直結させるような「読書」論には大きな違和感を抱いています。やたらと読書に「効率」を求めるのも反対です。

 三輪氏も同じお考えのようで、次のように述べています。

 「もともと本というメディアや読書という行為は、『効率』とは相容れないものです。本を読んだからといって、すぐに新しい仕事が見つかったり、リストラの対象から外されたりするわけではありません。また、何冊か本を読んだからといって、それが即あなたの仕事のパフォーマンスを上げてくれるほど、ビジネスの世界は甘くありません。」

 読んでいて、思わず膝を打ちました。気持ちいいぐらいに同感です。

 これまで、読書する目的とされてきたのは、1.知識、情報を得るため、2.教養のため、3.娯楽のため、という3つの理由でした。

 しかし三輪氏は、さらに重要な目的を示します。それは、読書をすることによって知的刺激を受け、その刺激をもとにして、「自分で考える」ことです。

 あと、本選びにおいては新聞朝刊の第一面最下段の書籍広告を注意深く見ることとか、本を読むときに静寂な環境を確保することの大切さとか、「我が意を得たり」というか、非常に共感することばかりでした。

 偶然にも、本書と拙著『あらゆる本が面白く読める方法』はアマゾンでよくカップリングされています。「この本を買った人は、この本も買っています」というアレです。 一般に、内容が似ている本同士がカップルとなることが多いようです。

 ならば、三輪氏と小生の読書観は似ているのかもしれません。 ものすごく三輪氏に興味が湧いてきました。